Twitterで募集したオススメ映画第16弾。
「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督作品。この人すごいな。
本作「母なる証明」も最高によかった。
「殺人の追憶」「グエムル/漢江の怪物」のポン・ジュノ監督が手がけた3年ぶりの長編。国民的人気女優のキム・ヘジャ、5年ぶりの映画出演となるウォンビンが親子を熱演する。貧しいながらも幸せに暮らしていた親子であったが、ある日1人息子が警察に拘束されてしまう。殺人事件の容疑者にされてしまった息子の無実を信じ、孤立無援の母は悲しむ間もなく、たった1人で真相に迫ろうとするのだが……。
引用:映画.com
知的障害者のトジュンの無実を信じ、警察に代わって1人で事件の真相に迫る母。
すごい映画だ。
誤解を恐れずに言ってしまうと、障害者という題材を使って感動ポルノにしない、というのはとても勇気のいることだと思う。
これ、まだまだ日本では作られないんだろうな。
ボン・ジュノ監督の作品を見ると、同じアジアとして”負けた”と思ってしまうけど、そう思うこと自体がすでに間違っているのかもしれない。韓国映画は同じアジアでも、もう随分と違う次元の話なのかもしれない。
映画冒頭の立ちションしているトジュンに煎じ茶を飲ませる母親。
飲みながら放尿するという構図に馬鹿らしさを感じつつも、母親の愛だとか、それがそのまま通り過ぎている様が現れていて、この映画の本質がすでにそこで描かれているような気がする。
そして、その立ちションの後を板で隠す母。
もしもこれが本当に映画の本質であるならば、やはりアジョン殺しはトジュンによる犯行だったのではないか、と思ってしまう。
真犯人がトジュンなのか、ジョンパルなのか問題。
”最後に急に出てきたやつが犯人なはずがない”というのはただのミステリー脳すぎるし、廃品回収のおじさんは、嘘をつく理由が無い。
ということで、シンプルにトジュンが犯人だった、ということで良いと思う。
それを確信したからこそ、母親はそれを忘れようと針を太ももに刺したんだろうし、そういうことをしてしまうのが母の愛のひとつの形なんでしょう。それが正しいか正しくないかは別として。
ミステリー映画として単純に面白い映画だし、色々深く考えこんでしまうような見方も出来るすごい映画だった。