三浦しをんの原作は随分昔に読んでいた。
監督は矢口史靖。
なんというかとても「素直」な映画だった。
「林業」という少し変わったテーマを扱い、それをとても素直に映画化していた。
「ウォーターボーイズ」「ハッピーフライト」の矢口史靖監督が、直木賞作家・三浦しをんの「神去なあなあ日常」を映画化した青春エンターテインメント。大学受験に失敗し、彼女にもフラれて高校を卒業した平野勇気は、林業研修プログラムのパンフレットが目に留まる。その表紙でほほ笑む美女につられ、ケータイの電波も届かない田舎の神去村で林業の研修に参加することになった勇気だが、想像を絶する現場の過酷さに、早くも逃げ出したくなる。しかし、パンフレットの美女が村に住んでいることを知り、そのまま田舎暮らしと林業を続けていくことを決意するが……。これまでオリジナル脚本で映画を手がけてきた矢口監督にとっては、初の原作小説の映画化作品。染谷将太が主演し、長澤まさみ、伊藤英明らが共演した。
引用:映画.com
予想外だったり裏切られるような展開は全然なし。
原作もそうだったかな?
でも、三浦しをんのことだからどこか裏切る部分があったと思うんだけど、そこは矢口史靖。すごく素直にわかりやすいものになっていた。
素直なのはストーリーだけでなく、演出や演技もことごとく素直。
すごくわかりやすく「ここは笑う所ですよ」や「ここは感動するところですよ」とアピールがすごくて
染谷翔太演じる平野勇気は最後まで今時の若者だった。
もちろん、平野も成長している部分や山に愛着を持ち出しはしているんだけど、ずうっと最後までどこか情けない若者のままだった。
そういう所が登場人物をアイコンとして認識している感じで、ちょっと物足りなさを感じた。
徹頭徹尾コメディ映画であって、そこは良き。
あくまでコメディ映画の中での恋愛模様だったり人間ドラマであって、矢口史靖のコメディ映画監督としてのプライドのようなものを感じる。
途中出てきた「スローライフ研究会」の件は正直ちょっと不快。
安易に都会の人間を薄っぺらいものとして描きすぎている。
あそこまで軽薄な人間を登場させる必要はあったのか?
あと、気になる点と言えば、ラストの長澤まさみの「愛羅武勇」はさすがに急すぎないかな。