あまりにも評判がいいので平日まで我慢できずに鑑賞。
祝日ということもあって、9割ほどの入り。
いい映画がちゃんと話題になってちゃんと集客にも繋がるいい時代になったね。
最高だった。見てよかった。
「万引き家族」といい「カメラを止めるな!」といい今年は当たり年だ。
そして、そのどれもがしっかりと話題になって映画館に行って見るとたくさんのお客さんが入っている。
僕は原作の小説もテレビアニメも全く知らなかったし、未読のまま映画を見たんですけど、ちゃんと入り込めたし最高に楽しかった。
子供向けなんでしょうけど、いや、子供向けだからこそなんでしょうけど、飽きさせないようにテンポも早く、メッセージもまっすぐと描いてくれたおかげですごく感動できた。
またもや、今年一番を塗り替えられてしまった。
最高に良き。
累計発行部数300万部を誇る人気児童文学シリーズ「若おかみは小学生!」をアニメーション映画化。小学6年生の女の子おっこは交通事故で両親を亡くし、祖母の経営する旅館「春の屋」に引き取られる。旅館に古くから住み着いているユーレイ少年のウリ坊や、転校先の同級生でライバル旅館の跡取り娘・真月らと知り合ったおっこは、ひょんなことから春の屋の若おかみの修行を始めることに。失敗の連続に落ち込むおっこだったが、不思議な仲間たちに支えられながら、次々とやって来る個性的なお客様をもてなそうと奮闘するうちに、少しずつ成長していく。人気子役の小林星蘭が主人公おっこの声を担当。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などスタジオジブリ作品で作画監督を務めてきた高坂希太郎が、「茄子 アンダルシアの夏」以来15年ぶりに長編劇場アニメの監督を手がけた。脚本は「映画 聲の形」「夜明け告げるルーのうた」などヒット作を数多く担当する吉田玲子。
引用:映画.com
原作知らなかったので、かなりの衝撃を受けてしまったんだけど、映画始まっていきなり事故でお父さんとお母さんを失ってしまうおっこ。
夢やふとしたときに、すごくリアルなお父さんとお母さんの姿を見てしまう。
それはきっと、おっこの精神状態そのもので、まだお父さんとお母さんが全く色褪せてない(死を受け入れられていない)ってことなんだと思う。
そしてその感覚は見ている僕にも伝染し、お父さん、お母さんの死を信じられないような気持ちになってしまう。
おっこにとっての最初の客となった、神田あかねとその父である幸水。
あかねも母を失っているが、おっこと違い、母の死でしっかりとショックを受け塞ぎ込んでいる。
一見するとおっこの立派さを表すエピソードなんだけど、おっこの不安定さと、一度しっかりと悲しんだあかねがその後立ち直る姿を見せることで、おっこ自身が救われるために必要なことを見せたんだと思う。
エッチなお姉さん。
これターゲットの年代の男の子に色々と色々じゃない?
だんだんとおかみ業にも慣れてきたおっこに「事故」があったことを思い出させる役目を持ったエッチなお姉さん。
”大人も大事な人を失うと悲しい”という当たり前のことをおっこに見せる。
そして、気晴らしの買い物。
作画最高じゃないですか。
めちゃめちゃ気合い入ってた。
恐らくおっこはここで両親の死自体は受け入れているんだと思う。
だけど、「事故」という因果関係のせいで、その悲しみや怒りをどこに持っていけばいいのかわからない状態なのでは。
お父さんとお母さんを失くした「事故」の加害者(と言ってしまおう)をおっこが受け入れられるのか。
木瀬も間違いや悪意などから事故を犯したわけではなく、木瀬自身も事故に巻き込まれた形となっただけ。
それでも木瀬も罪の意識に囚われており、木瀬の殺してしまったという罪の意識に引っ張られることでおっこも(両親の)喪失を受け入れることになる。
そしてそんな木瀬を、おっこはおっこ自身ではなく「若おかみ」となることで受け入れる。
残念なのが木瀬文太の食事シーン。
あそこはもうちょっと気合い入れて欲しかったな。もっともっと美味しそうに、大事に描いて欲しかった。
この家族、映画のオリジナルキャラだそうで。
こんな重要なキャラクターが映画オリジナルなのか。
幽霊と魔物。
原作に引っ張られてのキャラクターなんだろうけど、正直ここらへんがメインのストーリーにうまくハマっていなかった。
木瀬一家のキャラクターが強すぎたせいで、家族との別れがすでに描かれているおかげで、ウリ坊・美陽との別れが薄くなってしまったのは否めない。
とにかく最高だ。
ストレートなメッセージと、しゃれた演出と、素晴らしい作画。
アニメーションとしてすごすぎる。
声優陣もすごくよかったと思います。