薄い本(同人誌ではなく)が読みたい時ってありますよね。
なんとなく読書から離れてしまって、リハビリ代わりに、みたいな感じで。
そういう時によく読んでる気がします。瀬尾まいこ。
とにかく読みやすくて、すぐに世界観に没入でき、すっと心に入ってくる。
この「強運の持ち主」もはたして何回目だろう。
元OLが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。ショッピングセンターの片隅で、悩みを抱える人の背中を押す。父と母のどちらを選ぶべき?という小学生男子や、占いが何度外れても訪れる女子高生、物事のおしまいが見えるという青年…。じんわり優しく温かい著者の世界が詰まった一冊。
引用:楽天ブックス
主人公のルイーズ吉田がとにかく素敵だ。
素敵なキャラクターを物語の中心に持ってくる。
それだけと言えばそれだけの小説。
でも、それだけだからこそ、この一冊は素晴らしい。
登場人物それぞれの悩みに対して、占いというツールを使って「大丈夫だよ」と軽く背中を押してくれる。
それだけで充分前に進めてしまうことってたくさんあるんだな。
僕もそういう人間になりたかった。
まだ間に合うのなら今からでもなりたい。
彼女は占い師というよりもただの友達として存在してくれる。
どれもとてもいい話ばかりなんだけど、1編目の「ニベア」がすこぶるいい。
不思議でおかしくて愛おしい。
作者の瀬尾まいこさん、中学校の国語の先生をやっていたそうで。
こんな先生に国語を教えてもらっていた生徒は幸せだろうな。