鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」

鳥飼否宇さんは「死と砂時計」がとてもとても良くて、その後に読んだ何かの短編がイマイチ(ブログに書いてなくて何かは失念・・・)で、作家として好きかどうかの判断は出来ていない状態だった。
恐らくなんですが、「死と砂時計」は鳥飼さんの中では異質なもので、本来こういうバカミス的なものを得意としている作家さんなんでしょうね。

そして、正直な感想としては作家としてはあんまり好きじゃ無い。
って判断になっちゃった。

あらすじ

殺人、脅迫、誘拐、テロ…一見単純だが、どれもこれも一筋縄ではいかない複雑怪奇な事件が、次々と起こる綾鹿市。犯人は!?そして、事件の真相は!?事件解決に奔走する五龍神田刑事と、名推理を披露する謎のホームレス探偵「じっとく」-。本格ミステリーの奇才が12の犯罪と13の謎で読者へ挑戦する。
引用:「BOOK」データベースより

ネタバレありの感想

本作「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」は短編集。
13の短編で構成されているということもあり、それぞれがとても短い。
そのため、展開が急すぎたり、強引すぎたり、というのがどうしても気になってしまう。

狂言回しである五龍神田が推理を間違え、それを正される形で真相に辿り着く。というお約束は面白いものの、もう少しページ数に余裕があった方がうまく機能したのではないか?と思ってしまう。

ですが、短編ながらもうまい表現は多々あり、文章の軽さや個性的なキャラクターのせいも相まってサクサクと読めたのは良き。
特にミスディレクションのやり方なんかは面白いものがいくつか。
ただ「堕天使はペテン師」でチャボと鶏を誤認させて写真に写っている人物の身長が想像と違った。というのはさすがに無理やりすぎないかしらん・・・

2021年 年間ベスト

  1. 辻村深月「琥珀の夏」
  2. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
  3. 豊島ミホ「神田川デイズ」
  4. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
  5. 竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
  6. 芦沢央「いつかの人質」
  7. 周木律「眼球堂の殺人 〜The Book〜」
  8. 周木律「鏡面堂の殺人 〜Theory of Relativity〜」
  9. 綾瀬まる「やがて海へと届く」
  10. 麻耶雄嵩「螢」
  11. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  12. 周木律「大聖堂の殺人 〜The Books〜」
  13. 塔山郁「人喰いの家」
  14. 浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」
  15. 石川宗生「半分世界」
  16. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  17. 周防柳「余命二億円」
  18. 周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」
  19. 鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」
  20. 島田雅彦「預言者の名前」
  21. 星新一「天国からの道」
  22. 折原一「灰色の仮面」
  23. 大村あつし「エブリリトルシング」