塔山郁「人喰いの家」

ミステリーかと思ったらホラーだった。
というのはミステリ読みには時折あること。
まぁ、今思うと「人喰いの家」なんてホラーっぽいタイトルなんですが、ミステリに意識が行っているとどうしてもミステリかと思ってしまう。
そんなミスで購入したわけですが、これが面白かった!めっけもん。

あらすじ

いつの間にか早瀬家に住みついていた、自称霊能力者の羽田母子。彼らの生活態度にクレームをつけた隣人の西川が、何者かの影に怯えながら事故死したーー。恋も金も失くした美優は、道で出会った女に早瀬家への道順をたずねられる。早瀬家は居場所のない女性のシェルターとなっているというが、案内した家は不気味な雰囲気をまとっていた。偶然、羽田母子と知り合った美優は、家に招待されるが、母のヨシエに不吉な予言をされ、さらに身の回りで不思議なことが起こりはじめるーー。『このミステリーがすごい!』大賞作家が描く、ホラー&サスペンス。
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

個人的な好みの宗教もの。

最初にホラーだった、と書きましたが、とは言え謎解きというか謎を追うストーリーでミステリ要素もなくはないです。
ですが、ミステリ要素はやはりあくまでおまけ程度。
本筋は呪い・宗教・やっぱり人間が一番怖い、ってなところ。

謎を追う展開なため、意外に感じたのですが描写として(本作の中で)呪いは実在している。
呪いというものが、実世界でどれだけ存在して、どれだけの効果を生み出せるのか、というのはなかなか判別はできませんが、呪いの力を信じている人はいるのでしょう。
そうなると、本作のような事件が起きない、とは言えないのが怖い点。
実際、本作を読んで思い出した事件はいくつかあった。

グロ目な描写が割と多いので、苦手な人は避けた方が良いですが、先が気になる展開で一晩で読んでしまうくらいには楽しんでしまいました。

2021年 年間ベスト

  1. 辻村深月「琥珀の夏」
  2. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
  3. 豊島ミホ「神田川デイズ」
  4. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
  5. 竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
  6. 最果タヒ「渦森今日子は宇宙に期待しない」
  7. 芦沢央「いつかの人質」
  8. 周木律「眼球堂の殺人 〜The Book〜」
  9. 周木律「鏡面堂の殺人 〜Theory of Relativity〜」
  10. 綾瀬まる「やがて海へと届く」
  11. 麻耶雄嵩「螢」
  12. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  13. 周木律「大聖堂の殺人 〜The Books〜」
  14. 葵遼太「処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな」
  15. 塔山郁「人喰いの家」
  16. 浅倉秋成「六人の嘘つきな大学生」
  17. 石川宗生「半分世界」
  18. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  19. 周防柳「余命二億円」
  20. 桜井美奈「塀の中の美容室」
  21. 周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」
  22. 清水カルマ「禁じられた遊び」
  23. 宿野かほる「ルビンの壺が割れた」
  24. 鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」
  25. 島田雅彦「預言者の名前」
  26. 星新一「天国からの道」
  27. 折原一「灰色の仮面」
  28. 大村あつし「エブリリトルシング」
  29. 倉井眉介「怪物の木こり」