周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」

周木律さんの”堂”シリーズの第2段。
新キャラクターとして警視庁に勤める宮司司も現れ、話は広がっていきそうな感じ。
今回はクローズドサークルではなく、普通の密室モノ。

あらすじ

二重鍵状の館、「Double Torus(ダブル トーラス)」。警察庁キャリア、宮司司(ぐうじつかさ)は放浪の数学者、十和田只人(とわだただひと)に会うため、そこへ向かう。だが彼を待っていたのは二つの密室殺人と容疑者となった十和田の姿だった。建築物の謎、数学者たちの秘された物語。シリーズとして再構築された世界にミステリの面白さが溢れる。「堂」シリーズ第二弾。
引用:出版社より

ネタバレなしの感想

今回の”堂”である双孔堂(ダブル・トーラス)も前作と同じ沼志郎の建築によるもの。
双孔堂の見取り図も本当にワクワクする。
最近は会社でどんな別荘を建てたいか、って話題がよく出るんですけど、僕はこのシリーズを結構参考にしちゃってます。

前作同様、理系な話の部分は当然のように難しいのですが、本書「双孔堂の殺人」では狂言回しである宮司司も理解していないため、少しだけわかりやすく説明してくれたりしています。
それでもやっぱりわからないです。僕は斜め読みしちゃってましたが、それでも問題はなかったと思う。
十分楽しい。

ネタバレありの感想

前作の探偵役である十和田が自分が犯人だ、という告白から始まる本書。

湖に飛び出て建っている双孔堂。
その立地から階数を誤認させているんだろう、というのは想像ついてしまうし、当然十和田が犯人なわけはないだろう、と思って読み進める。

本書はあまり評判がよく無いらしいです。
森博嗣からの影響が強く見えすぎている点やキャラクターの心象がさすがに非現実的だったり、と。
僕としても前作や今後のシリーズと比べるとちょっと一段下がる楽しさだった。
なんというか、建物のトリックがやっぱりちょっと地味に感じちゃいました。
ただ、今後のシリーズの展開を考えると必要な一冊だったのはシリーズ読み終わった後だとよくわかる。

2021年 年間ベスト

  1. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
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  3. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
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  7. 周木律「鏡面堂の殺人 〜Theory of Relativity〜」
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  9. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  10. 周木律「大聖堂の殺人 〜The Books〜」
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  12. 石川宗生「半分世界」
  13. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  14. 周防柳「余命二億円」
  15. 周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」
  16. 鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」
  17. 島田雅彦「預言者の名前」
  18. 星新一「天国からの道」
  19. 折原一「灰色の仮面」
  20. 大村あつし「エブリリトルシング」