周木律「大聖堂の殺人」

“堂”シリーズ完結作。
仕事やその他でちょっとバタバタしてブログを書くのはだいぶ遅くなってしまったが、シリーズ通して一気読み。
シリーズ通してまずキャラクター小説としてすごく面白かったし、ミステリ作品としては、大胆なトリックばかりで好みの別れるところでしょうが、個人的には大好物なシリーズでした。

あらすじ

解は示された。大人気シリーズ、ついに終幕!天才数学者が館に隠した時と距離を超える最後の謎。すべての事件を操る数学者・藤衛に招かれ、北海道の孤島に聳え立つ大聖堂を訪れた宮司百合子。そこは、宮司家の両親が命を落とした場所だった。災禍再び、リーマン予想の解を巡り、焼死や凍死など不可解な殺人が発生する。しかし、藤は遠く離れた襟裳岬で講演の最中だった。大人気「堂」シリーズ、ここに証明終了!
引用:出版社より

ネタバレありの感想

シリーズ最終巻ということもあって、なかなかに分厚い。
ですが、とても読みやすいため、そんなに時間はかからないと思います。
数学云々の部分はどうせ斜め読みになるし。
そこをちゃんと理解しようと思ったら何年かかることやら、、、って感じです。僕は。

”堂”シリーズと言えばまずやはり見取り図が気になるところですが、本作の見取り図は結構シンプル。
そして少し残念なのは、本作の”堂”は回転しない・・・
せっかく地中に潜りそうな形をしていたのに。
そこは残念でした。
本作の”堂”での凍死、焼死のトリックも、「あぁ、そうなるんだ?」って感じで、その前の推理で出ていた「電子レンジ説」なんか、ほぼほぼ正解でいいんじゃないの?って感じてしまう。

音声認識のエレベーターが動かなくなったことで大聖堂内に閉じ込められてしまう面々ですが、それだけで諦めますかね?
とりあえず、力づくで開けてみようとするんじゃないかしらん・・・

と、時間を置いたせいか変に冷静になって否定的な意見ばかりになりましたが、個人的にはやはり大好きなシリーズだし、本作「大聖堂の殺人」も大好きな一冊です。
中継で繋がれて藤天皇の講演を聞いているシーンなんかは、バカバカしいくらいのスケール感でワクワクするし、濃いキャラクターたちのやりとりはやっぱり楽しいし、島が動いていた!というとんでもトリックなんか小説ならではの素晴らしさだと思います。
フィクションってこうでなくっちゃ!という気持ち。

楽しいシリーズでした。

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