周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」

”堂”シリーズ5作目。
前作「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」で大きく話が動いた本シリーズ。
テーマは「ゲーム理論」。
これまでと比べると少し、ほんの少しとっつきやすいテーマ。

あらすじ

館で待つのは、絶望か、祈りか。天才数学者が仕掛ける究極の罠!訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠!司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?

館で待つのは、絶望か、祈りか。
天才数学者が仕掛ける究極の罠!

訪れた者を次々と死に誘う狂気の館、教会堂。
失踪した部下を追い、警察庁キャリアの司は館に足を踏み入れる。そこで待ち受けていたのは、水死・焼死・窒息死などを引き起こす数多の死の罠! 司の足跡をたどり、妹の百合子もまた館に向かう。
死のゲームと、天才数学者が求める極限の問いに、唯一解はあるのか!?
引用:出版社より

ネタバレありの感想

前作から話が大きく動き、なんと本書ではミステリーですらなくなります。
いきなりのデスゲームもの。

もちろん、ただただ人が死んでいくようなものではなく、キャラクターのあれこれを見せてくれ、キャラクターに対する思い入れが少しづつ増えていく。
本シリーズの最初からキャラクターは強いシリーズですが、どんどんとキャラクター小説っぽさが強くなっていく。

デスゲームものですが、キャラクター対キャラクターではなく、キャラクター対”堂”というのはなかなか面白い設定ではあるが、そんなにゲーム性があるわけではなく、正直小説としては見所が少ない。
とんでもトリックを期待してこのシリーズを読んでいるので寂しい。
それにしても、十和田のキャラクターが変わりすぎてしまっているのはもったいない。
神の立ち回りもこれまでの万能感から考えるとちょっと小物っぽく見えてしまったのももったいない。

個人的には宮司司が結構気に入っていたので退場は寂しい。
バトンは百合子に渡される。
と言うよりも、百合子にバトンを渡すための一冊。

もしも本書から読み始めた人は他の本を読んだら期待外れって思っちゃうだろうな。

2021年 年間ベスト

  1. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
  2. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
  3. 竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
  4. 芦沢央「いつかの人質」
  5. 周木律「眼球堂の殺人 〜The Book〜」
  6. 周木律「鏡面堂の殺人 〜Theory of Relativity〜」
  7. 綾瀬まる「やがて海へと届く」
  8. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  9. 周木律「大聖堂の殺人 〜The Books〜」
  10. 塔山郁「人喰いの家」
  11. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  12. 周防柳「余命二億円」
  13. 周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」
  14. 鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」
  15. 島田雅彦「預言者の名前」
  16. 星新一「天国からの道」
  17. 折原一「灰色の仮面」
  18. 大村あつし「エブリリトルシング」