辻村深月「図書室で暮らしたい」

「図書室で暮らしたい」なんて素晴らしいタイトル。
さすが辻村深月さん。
やっぱり大好き。
「おすすめの作家は?」や「好きな作家は?」とか聞かれるとまず辻村深月さんの名前をあげてます。
本や言葉、物語や現実に対する距離感や感じかたがどことなく共感できて彼女の言葉や物語はとても自然にそしてとても深いところに染み込んでくれる。

そんな辻村深月さんのエッセイ集。
エッセイ集で言うと何冊目だ?
どれも素晴らしくて、楽しいのでどれもおすすめです。

あらすじ

偶然グアムで見つけた、わが家のラインナップとそっくりな本棚。単行本を上下巻とも詰め込んで壊してしまったお気に入りのリュック。高校生の時にドキドキしながら友達と行った、憧れの作家のサイン会。辻村深月の見ている世界は、“好き”で鮮やかに彩られている。宝石のような掌編を集めた珠玉のエッセイ集。
引用:「BOOK」データベース

感想

辻村深月さんは「小説や漫画に救われてきた」とおっしゃっていて、僕もそう。
何か、どうしようもないことがあったときはフィクションこそが僕を救ってくれた。
僕は音楽も、もちろん好きだし、僕にとってとても重要なものなんだけど、音楽は結局のところエンタメでしかない感じ。

閑話休題。
素晴らしいエッセイがたくさん。
あまり中身を話してしまうと、ネタバレになってしまう(エッセイだからこそネタバレはよくない気がします)ので、さらっとしたところだけ。
バイキンマンに対する視点の面白さ(単にひねくれてるだけではない)や、他作品の糧にもなったであろう「母子手帳にできること」。
旅先で出会った本棚に感動したり、ジョジョやピングドラムへの愛を語ったり。
直木賞受賞時の思い出やデビュー前の大好きな作家のサイン会に参加した思い出など、辻村深月さんの過去と現在がたくさん覗ける。
そして、文体はとても軽快で少ししっとりとして心地よい。
そりゃ、名著になるわけだ。

辻村深月さんの日常はとてもドラマチックに見えるけど、それはきっと視野の広さや物事の角度を変えて見れる頭の良さ(多少のひねくれた性格)なんかのおかげなんだろう。
そんな彼女の作る物語、最高に決まっているので今後も一番大好きな作家の一人として楽しみにしていこう。

2020年 年間ベスト

  1. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
  2. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
  3. 周木律「眼球堂の殺人 〜The Book〜」
  4. 竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
  5. 綾瀬まる「やがて海へと届く」
  6. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  7. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  8. 周防柳「余命二億円」
  9. 島田雅彦「預言者の名前」
  10. 星新一「天国からの道」
  11. 折原一「灰色の仮面」
  12. 大村あつし「エブリリトルシング」