大村あつし「エブリリトルシング」

作者はITライターだそうで、それでなんで僕はこの本買ったんだろう・・・
あまりに軽すぎて、心にひっかかる部分が少なかった。
連作短編集ではあるが、短編同士の繋がりが薄いのに無理やりで「ここですよ」と分かり易すぎて恩着せがましい感じもある。

あらすじ

少年はなぜあえて五本足のクワガタを選んだのか。なぜこんな些細な出来事が夢の実現に悩む人々に勇気を与えたのか。副題作はじめ、巧みに張られた伏線を拾いながら先の見えない展開を見せる。読者が自殺を思いとどまった、不登校児を救ったなどの逸話がニュースにもなった愛と感動の連作短編。人生が変わる奇跡の六編。
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

あまり楽しめなかったんですけど、1編目の「クワガタと少年」だけは結構よかった。
この少年が回り回って色々な人の人生を変えてきた、というようなことではあるんだけど、他の短編での見せ方があまりにわざとらしくて、そのタイミングでちょっと興醒めしてしまうんだけど、これは、1編目ということで、他の作品からの繋がりがないせいで圧倒的に読みやすくていい短編になっている。

子供っぽすぎるなぁ、と思ったら絵本にもなっているんですね。
対象年齢が違うだけか。

とにかくポジティブな一冊。
「黒い丸」が存在するのは「黒い丸じゃないものと隣接しているから」というエピソードはなんだかITっぽいというか理数系的な考え方もありつついいエピソードだった。きっと、作者の大村あつしさんの基本的な考えの一つなんだろう。
そういうのを見せてもらえるのはすごくいいですね。
そして、大村あつしさん、ちょっと調べると、もうちょっとITよりな小説もあるようでそっちの方が興味あるかな。

2021年 年間ベスト

  1. 辻村深月「図書室で暮らしたい」
  2. 周木律「伽藍堂の殺人 〜Banach-Tarski Paradox〜」
  3. 竹宮ゆゆこ「応えろ生きてる星」
  4. 芦沢央「いつかの人質」
  5. 周木律「眼球堂の殺人 〜The Book〜」
  6. 周木律「鏡面堂の殺人 〜Theory of Relativity〜」
  7. 綾瀬まる「やがて海へと届く」
  8. 周木律「五覚堂の殺人 〜Burning Ship〜」
  9. 周木律「大聖堂の殺人 〜The Books〜」
  10. 塔山郁「人喰いの家」
  11. 周木律「双孔堂の殺人 〜Double Torus〜」
  12. 周防柳「余命二億円」
  13. 周木律「教会堂の殺人 〜Game Theory〜」
  14. 鳥飼否宇「逆説的 十三人の申し分なき重罪人」
  15. 島田雅彦「預言者の名前」
  16. 星新一「天国からの道」
  17. 折原一「灰色の仮面」
  18. 大村あつし「エブリリトルシング」