折原一「灰色の仮面」

満月の夜に白いマンションに住む女性を次々と襲う灰色のストッキングを被った暴行魔。
これだけでもう怖い。
なかなか今時は「満月の夜に〜〜〜」なんて設定は使い古された感があって使いづらいでしょうけど、やっぱりなんか雰囲気出ますね。

あらすじ

ある晩、女性の悲鳴を聞いた僕は、駆けつけた部屋で美女の死体を発見。折悪しく住人に見つかり犯人と間違われてしまう。満月の夜に歪んだ欲望をたぎらせて、白いマンションに住む独身女性を次々と襲う恐怖の暴行魔と僕の熾烈な闘いが始まる。最後の一行まで真犯人がわからない超弩級のホラー・ミステリー。
引用:BOOKデータベース

ネタバレありの感想

登場人物が少なく、真犯人は解っても良さそうなものですが、(少なくとも僕にとっては)とても意外な展開でラストは驚いた。
理不尽な終わり方だ、と言われたりされているみたいですが、僕は結構満足ですね。
さすが折原一。

主人公は巻き込まれ、暴行魔と間違わられてドタバタしながら真犯人を追うというコメディ的にも見えそうな物語で、暴行魔からのアプローチや被害者に追われる感じなどもとてもよかった。
恋愛要素もなんだかちょっと古臭く、可愛らしい感じでなんかよかった。
その恋愛要素だったり、折原一さん独特の軽妙な語り口のせいで緊迫感は全然ありません。

それでも、わかりやすく伏線もいっぱい貼ってあったり最後までワクワクしながら読めるいい作品。

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  20. 折原一「灰色の仮面」
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