七河迦南さん初読み。
ちょこちょこいい評判を聞く作家さんということで楽しみに読んだんだけど、本書「夢と魔法の国のリドル」は物足りない感じだった。
現実世界とファンタジー世界でのミステリーが並行して進んでいくという意欲作。
ですが、うまく並行していたか、というと疑問点。
ミステリ好きの貴方に捧ぐ、魔法の国の挑戦状。楽しい遊園地デートになるはずだった杏那と優。しかし二人は突如別々の世界に引き裂かれた。杏那は異世界を魔王から救う役目を担わされ、残された優は遊園地で起きた密室殺人事件の謎を解く羽目に……。現実と夢の国、二つの密室、パズルと魔法の謎を解き、二人は再会できるのか? 紙とペンを用意して読んでも必ず欺される、異色の新感覚本格ミステリ。『わたしの隣の王国』改題。
引用:楽天ブックス
とにかく、パズルがパズルすぎて解く気にはなれないし、ちゃんと読み込む気にもなれない。
そこにストーリー的にも重要なことが書かれているかも、と思うと読んでいてもどうしても集中できなくなってしまう。
現実世界の方では何故、探偵役の彼があんなにもすんなりと関係者に受け入れてもらえるのかが、あまりに不自然でご都合主義的すぎる。
そのため、ファンタジー世界との対比が薄くなってしまいそこももったいない。
ファンタジー世界での冒険譚も展開がトントン拍子すぎてスリルやカタルシスもない。
メタ的なネタバラシをしつつ、「意外な犯人」を意外な犯人にしたかったのでしょうが、そこまで驚きもない。
それも、集中できなかったせいっていうのも大きいんだけど。