西尾維新「掟上今日子の推薦文」
「掟上今日子の備忘録」とともに購入したものの、「備忘録」が正直いまいちだったため、あまり気乗りしないで読み始めたら、なんか様子がおかしい。
断然面白くなってる。
読了しても、「備忘録」から考えると断然面白くなっていた。
あらすじ
二億円の絵が一夜にして二百万円に急落。鑑定人は、忘却探偵・掟上今日子。しかし、絵がすり替えられた形跡もなければ、今日子さんには記憶もない。美術館警備員・守の依頼を受けて看破した真相は、さらなるアートな難事件を巻き起こす! 彼女と過ごす時間はいつだって最初で最後。「忘却探偵シリーズ」第2巻。
引用:楽天ブックス
西尾 維新 講談社 2019年01月16日頃
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ネタバレありの感想
前作と狂言回しが変わるんですね。
これはシリーズ通してどんどん変わっていってるんだろうか。
ちょっと面白い試みだな。
鑑定する今日子さん
今日子さんが2億円と鑑定した絵がある日200万円と100分の1の値段になってしまう。
探偵が謎を作り、探偵が謎を暴くという、「忘却」の探偵だからこそできるおかしな構成。
ここで、本書の中心となる人物は全員集合。
さすが西尾維新さん、キャラクターの見せ方上手い。
推定する今日子さん
次話に向けて親切さんと今日子さんが本書のメインの事件の現場となるアトリエ荘に行き、「犯人はこの中にいます」と唱えるまで。
「犯人はこの中にいます」とは言うものの、まだ情報は出来っていない。
ここでちゃんと推理から犯人を当てるのは無理じゃないかな。
メタ的な推理であれば、正直めちゃめちゃ簡単なんですけど。
推薦する今日子さん
額縁匠である和久井さんの最後の仕事の謎と、和久井さんを刺した犯人を探す捜査と犯人当て。
登場人物が少ないため、メタ的推理で予想はつき、それを否定する材料も弱いため、犯人が意外な感じは無し。
やはり、本格ミステリとしては弱めなシリーズっぽい。
まとめ
やはりミステリとしては弱いものの、西尾維新さんの得意なキャラクター小説的な部分が強くなっていて、前作に比べてすごく面白くなってきてる。
付記として書かれた短いエピローグ的なものがよかった。
ここで、本書のタイトルにもなっている「推薦文」の意味がわかる。
ここがとても印象的でよかった。
次につながる感じがワクワクしてしまう。
次のも買おう。
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