あらすじではゴシックミステリと言われてますが、ミステリ期待するとちょっと期待はずれかも。
でも、小説としてはかなり好きな方です。おすすめ。
良き良き。
森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実でー。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!
引用:楽天ブックス
まず、感想とはずれるんですけど、ものすごく読んだ覚えがある気がする。
他でもありそうな設定といえばありそうなんだけど、他に思い出せるものもなく、なんなんだろう。
もしかしたら単純に再読なのかしらん。
閑話休題。
序盤はとにかくゴシック小説。
あんまりこういうのに触れてきていないので、判断が難しいのですが、読みやすいしなかなか独特な緊張感もあり楽しい。
レイア姫という名前や王国なんて舞台から中世ヨーロッパ的なファンタジーを想像して読み進めていると、英語やテレヴィ、CDなどの存在によりここは日本では?という疑いは出てくる。
文字の木札はそれぞれ5枚づつあったっていうのもそういうことか。
だけど、まさかレイヤ姫が男の子だとは。
確かに生理になったシーンで下着を履き替えただけなのが気にはなってはいたんだけど、あれが大きなヒントだったのか。
レイア姫=怜という誘拐されていた男の子だった。で終わらない所がこの小説の楽しいところ。
誘拐犯が誰だったのか?や、動機は?という所にも切り込んでいるわけだけど、それは読者がわかるようなものではない。というよりもこの後には作中作の構図になっており、どれが真実なのか、それこそ闇の中。
だが、タイトルも「この闇と光」となっているように、これこそが光=真実なのではないか、という気がする。
こういうどんでん返しから一応ミステリーに分類されている小説ですが、犯人なんを当てるようなものでもないし、ミステリーと期待して読むとちょっと期待はずれかもしれない。
独特の読み心地ながら読みやすく楽しかった。
良き。良き。