小嶋陽太郎「気障でけっこうです」

文庫の表紙が大好きなイラストレーターのおどりさん、ということで購入。したものの、表紙詐欺だった。
主人公のきよ子は眼鏡ってアイテムが結構重要なのに表紙にそれが無いのはとても残念。
表紙を見て、きよ子のビジュアルを想像しているわけだから、読んでいて眼鏡の記述があるたびにちょっとイメージぶれちゃうのがもったいない。

内容は正直そんなに期待していなかったんですけど、上記のイメージでの不利がありつつも存外楽しめた。

あらすじ

女子高生のきよ子が公園で出くわしたのは、地面に首まですっぽり埋まったおじさんだった。「人生の小路に潜む、落とし穴にはまり…」と間抜けな格好で嘆く男。きよ子は助け出そうとするも、途中で車にはねられ病院へ。その後、目を覚ましたきよ子の前に、なんとあの男が現れた。「私、死んじゃったんですよ」そう、幽霊となってー七三分けの気弱な幽霊と今どき女子高生の奇妙な交流を描く、切なく不思議な新感覚の青春小説。
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

表紙も残念だったけど、そんなことより地面から頭だけ出していたことにそんなに深い理由がなかったのが残念。
表紙にもなっている通り、とても特徴的で想像のしやすいシチュエーションなのに、そうなった理由もいまいちだし、そこからの展開も特に無い。
もったいない。

と言うことで、幽霊に取り憑かれた女子高生がその幽霊の心残りを解決して成仏させましょう、というとてもストレートで普遍的な設定。
幽霊が自分の職業を隠すのは納得できるが、名前まで隠してシチサンと名乗るのも、なんとなくシチサンという響きが面白いから、というくらいにしか感じられない。そして、それだけにしてはそんなに面白くない。
本名が蟹江と、そっちの方が面白いのもなんだかなぁ。

由香さんのエピソードもとてもベタながらすごくよかった。
だけど、それがその後に何も繋がってこないままだったのはある意味裏切られた。
きよ子の親友のキエちゃんがとても良きキャラクターで主人公であるきよ子やシチサンよりも突飛で、魅力的。
由香さんのエピソードがよかったとしても、由香さんにあんなに場面使うくらいならキエちゃんを掘り下げるべきだったよなぁ。
残念。
でも読みやすくてよかった。

2020年 年間ベスト

  1. 阿川せんり「パライゾ」
  2. 辻村深月「かがみの孤城」
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  4. 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ」
  5. 芦沢央「許されようとは思いません」
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  7. 綿矢りさ「蹴りたい背中」
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  10. 竹宮ゆゆこ「あなたはここで、息ができるの?」
  11. 辻村深月「朝が来た」
  12. 朝井リョウ「世にも奇妙な君物語」
  13. 詠坂雄二「リロ・グラ・シスタ」
  14. 青木祐子「嘘つき女さくらちゃんの告白」
  15. 辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」
  16. 澤村伊智「ぼぎわんが、来る」
  17. ポール・アルテ「第四の扉」
  18. 辻村深月「家族シアター」
  19. 辻村深月「スロウハイツの神様」
  20. 彩坂美月「僕らの世界が終わる頃」
  21. いしいしんじ「ぶらんこ乗り」
  22. 服部まゆみ「この闇と光」
  23. こだま「夫のちんぽが入らない」
  24. こざわたまこ「負け逃げ」
  25. 辻村深月「東京會舘とわたし」
  26. 黒澤いづみ「人間に向いてない」
  27. まさきとしか「完璧な母親」
  28. 湊かなえ「絶唱」
  29. 西尾維新「掟上今日子の推薦文」
  30. 伊坂幸太郎「陽気なギャングは三つ数えろ」
  31. 伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」
  32. 詠坂雄二「人ノ町」
  33. 井上ひさし「十二人の手紙」
  34. 似鳥鶏「叙述トリック短編集」
  35. 一條次郎「レプリカたちの夜」
  36. 冲方丁「もらい泣き」
  37. 東野圭吾「恋のゴンドラ」
  38. 伊坂幸太郎「陽気なギャングの日常と襲撃」
  39. 西尾維新「掟上今日子の備忘録」
  40. 萩原麻里「呪殺島の殺人」
  41. 矢野龍王「極限推理コロシアム」
  42. 村崎友「校庭には誰もいない」
  43. 岡嶋二人「タイトルマッチ」
  44. 歌野晶午「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」
  45. 佐藤究「QJKJQ」
  46. 櫻いいよ「交換ウソ日記」
  47. 辻村深月選「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎008」
  48. 阿藤玲「お人好しの放課後 (御出学園帰宅部の冒険) 」
  49. 漢 a.k.a. GAMI「ヒップホップ・ドリーム」
  50. 郷一郎「名無しの十字架」
  51. 永嶋恵美「明日の話はしない」
  52. 小嶋陽太郎「気障でけっこうです」
  53. 藤野恵美「ぼくの嘘」
  54. 鈴木おさむ「名刺ゲーム」
  55. 緒川怜「冤罪死刑」