辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」

最近また個人的に辻村深月ブームが来ていて、こちらも再読。
「ぼくのメジャースプーン」ほどは頻繁に読んでいなくて、結構忘れていたので、結構驚かされた。
得な記憶力だな、我ながら。

あらすじ

始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。幻の学生、『i』の登場だった。大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番ーー」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。(講談社文庫)
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

浅葱が”藍と浅葱の二重人格だった”というのはさすがに覚えていたけど、月子と孤塚が兄妹だっていうのはしっかり忘れていて、孤塚がサーカスに白根さんを誘っちゃう所とかは、最初に読んだ時と同じように、ソワソワしてしまった。

ミステリ的には上原愛子の存在は流石に急すぎてアンフェアと言わざるとえない。
そこで、少し評価が下がってたんだよなー。

でも、今回再読して、ラストシーンの恭司がかっこよすぎて痺れまくったんだけど、前回も同じようなこと思ってた。
いやー、かっこよすぎるでしょうよ。
恭司は浅葱を許していないハズだし、恭司も一刻も早く月子ちゃんに会いたいハズなのに、そこを譲ってしまうかっこよさ。そりゃ孤塚もびっくりだ。

章のタイトルが全部「〇〇と〇〇」となっており、本書は「誰かと誰か」の物語。
月子と孤塚、孤塚と浅葱、浅葱と恭司、恭司と月子、月子と浅葱などなど、人間関係がたくさんの1対1で描かれているように感じた。

それでもやはり、浅葱が荻野さんを殺してしまったことは許せない。
それは、浅葱にとってとてもよくないことだったと思うから。

2020年 年間ベスト

  1. 辻村深月「ぼくのメジャースプーン」
  2. 綿矢りさ「蹴りたい背中」
  3. 朝井リョウ「星やどりの声」
  4. 辻村深月「凍りのくじら」
  5. 辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」
  6. 澤村伊智「ぼぎわんが、来る」
  7. ポール・アルテ「第四の扉」
  8. 辻村深月「家族シアター」
  9. 彩坂美月「僕らの世界が終わる頃」
  10. こだま「夫のちんぽが入らない」
  11. まさきとしか「完璧な母親」
  12. 湊かなえ「絶唱」
  13. 詠坂雄二「人ノ町」
  14. 一條次郎「レプリカたちの夜」
  15. 冲方丁「もらい泣き」
  16. 東野圭吾「恋のゴンドラ」
  17. 歌野晶午「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」
  18. 阿藤玲「お人好しの放課後 (御出学園帰宅部の冒険) 」
  19. 郷一郎「名無しの十字架」
  20. 永嶋恵美「明日の話はしない」
  21. 小嶋陽太郎「気障でけっこうです」
  22. 藤野恵美「ぼくの嘘」
  23. 鈴木おさむ「名刺ゲーム」
  24. 緒川怜「冤罪死刑」