初読みの作家さん。
「絶望が爆発するミステリ」とのことですが、まさしくイヤミス。
イヤミスを書こうとしているんでしょう、とにかくイヤな気持ちになるように登場人物が配置されている。
難病で何年も入退院を繰り返し人生を諦観する小学生。男に金を持ち逃げされ無一文のオカマのホームレス。大学中退後に職を転々、いまはスーパーのレジで働く26歳の元OL。別々の時代、場所で生きた三人が自らに課した共通のルールが「明日の話はしない」だった。過失、悪意、転落ーー三つの運命的ストーリーが交錯し、絶望が爆発するミステリ。
引用:楽天ブックス
いきなり子どもの話。
子どもが難病で何度も入退院を繰り返しているというだけで、いきなり気分は最悪。
子どもが持つ純粋な悪意なんかを表現したかったのでしょうが、ちょっとありがちなところに落ち着いちゃった印象。
連作なんだ、というのがわかるのもあり、本書の中で圧倒的にというか唯一驚かされる一章。
視点人物がオネエのホームレスというのはキャッチーだけど、なぜオネエにしたんだろう。
そこはちょっとわからん。だけどいいキャラではあった。
第二話で繋がっているんだから、ここも繋がってるんだろうという気持ちで読んでしまうと、不自然な登場人物がいて、なんともわかりやすい。
なのに、隠そうとしているので、不自然になってしまっている。
ここはもうバラしてよかったんじゃないかな。
ミステリーとして驚かせたいなら他の部分をがんばらなくちゃいけなかった。
不要。
とにかく不要。
この話のせいで、本の価値自体が一気に下がっている。
第三話までのあれこれで十分登場人物が繋がっているのはわかるのに、ネタバラシをしたがりすぎていてとても不自然な一章。
もったいない。