緒川怜「冤罪死刑」

タイトルのキャッチーさがすごい。
「冤罪死刑」
初めて読む作家。
リアリティのある場面や盛りだくさんな内容。
読み応えはあるものの後半失速気味。

あらすじ

三年前に発生し、犯人逮捕で終結したはずの少女誘拐殺人事件。しかし、冤罪スクープを狙う通信社記者と、正義感に燃える女弁護士が事件を洗い直すと、意外な新事実が。死刑判決、小児性愛、ハニートラップ、偽証、老刑事の告白ー。どんでん返しの連続の後、幾重にも張られた伏線が鮮やかに回収される、会心作!
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

とにかく盛りだくさん。
誘拐、死刑判決、死刑執行、ロリコン、ハニートラップそして冤罪など、様々な要素で構築された本書。
もうちょっと展開を絞って、もっと「冤罪」について深く切り込んで欲しかった、というのが正直な感想。
後半飽きてしまって、だいぶ目が滑ってしまってなかなか読み進まなかった。

本書で一番筆に力が入っているのが、死刑執行のシーン。
(本物は知らないが)リアリティを感じるし、なんとなく作者から特別な思い入れを感じる。
逆にそこが本書での山場すぎて、その後のシーンがどうにも退屈に感じてしまった。
やはり「生と死」というテーマはとてもヒキの強いテーマだし、日本という国で「死刑」というのは、どうしたって何か考えさせられる。

伏線の貼り方はイマイチ。
まぁ、伏線というか、前振りって言った方が正しい。
ここまで長くなければもうちょっといい評価になっただろうな。

2020年 年間ベスト

  1. 辻村深月「ぼくのメジャースプーン」
  2. 綿矢りさ「蹴りたい背中」
  3. 朝井リョウ「星やどりの声」
  4. 辻村深月「凍りのくじら」
  5. 辻村深月「子どもたちは夜と遊ぶ」
  6. 澤村伊智「ぼぎわんが、来る」
  7. ポール・アルテ「第四の扉」
  8. 辻村深月「家族シアター」
  9. 彩坂美月「僕らの世界が終わる頃」
  10. こだま「夫のちんぽが入らない」
  11. まさきとしか「完璧な母親」
  12. 湊かなえ「絶唱」
  13. 詠坂雄二「人ノ町」
  14. 一條次郎「レプリカたちの夜」
  15. 冲方丁「もらい泣き」
  16. 東野圭吾「恋のゴンドラ」
  17. 歌野晶午「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」
  18. 阿藤玲「お人好しの放課後 (御出学園帰宅部の冒険) 」
  19. 郷一郎「名無しの十字架」
  20. 永嶋恵美「明日の話はしない」
  21. 藤野恵美「ぼくの嘘」
  22. 緒川怜「冤罪死刑」