ここまで軽いものはやっぱりいまいち好きになれないな、というのが読了しての正直な感想。
んー、フィクションとは言え、命を扱うのであればある程度の重さ・硬さというのは必要だと思うんですよね。
エッセイとかなら別なんだろうけども。
人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われたのだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!
引用:楽天ブックス
対談形式であることよりも、心の声がとにかく、頭に入ってこない。
対談中のハズなのにいきなり、ダラダラと長く心の声が入ってくる。
それがあまりに不自然だし、小説にとって都合が良すぎる。
そして、実際にはそのダラダラと長い心の声こそが物語の肝となっている。
と言うよりも、それ以外の部分は全て無駄な描写。
対談形式であることが全く活かされていない。
人が対談中の心の声にしてはやけに説明的すぎるし。これだったら、独白ってことでよかったんじゃなかろうか。
でも、そしたら売れないか。
本を売るって難しいんだな。
ミステリーということで、それぞれの登場人物が絡んできていてやりたいことは分かるものの、それも雑だし、裏切られるような気持ちには全くならなかった。
登場人物たちもすごくステレオタイプ的だな、と思っていたら作者が元お笑いの人だそうで、納得。
ステレオタイプというか、コント的だったのか。
コント的というか舞台的というのか。
そう思うと演出はなんとなく見えてくるし、ダラダラと長すぎる心の声も、舞台であれば、そういう演出はありそうだな、と思える。
しかし、これは小説なので、小説としての評価となるとどうしたってイマイチだ。