藤崎翔「殺意の対談」

ここまで軽いものはやっぱりいまいち好きになれないな、というのが読了しての正直な感想。
んー、フィクションとは言え、命を扱うのであればある程度の重さ・硬さというのは必要だと思うんですよね。
エッセイとかなら別なんだろうけども。

あらすじ

人気作家・山中怜子と、若手女優・井出夏希。新作映画の原作者と主演女優の誌上対談は、表向きは和やかに行われたのだが、笑顔の裏には忌まわしい殺人の過去が…。同様に、ライバル同士のサッカー選手、男女混成の人気バンド、ホームドラマの出演俳優らが対談で「裏の顔」を暴露する時、恐るべき犯罪の全貌が明らかに!?ほぼ全編「対談記事+対談中の人物の心の声」という前代未聞の形式で送る、逆転連発の超絶変化球ミステリ!
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

対談形式であることよりも、心の声がとにかく、頭に入ってこない。
対談中のハズなのにいきなり、ダラダラと長く心の声が入ってくる。
それがあまりに不自然だし、小説にとって都合が良すぎる。
そして、実際にはそのダラダラと長い心の声こそが物語の肝となっている。
と言うよりも、それ以外の部分は全て無駄な描写。

対談形式であることが全く活かされていない。
人が対談中の心の声にしてはやけに説明的すぎるし。これだったら、独白ってことでよかったんじゃなかろうか。
でも、そしたら売れないか。
本を売るって難しいんだな。

ミステリーということで、それぞれの登場人物が絡んできていてやりたいことは分かるものの、それも雑だし、裏切られるような気持ちには全くならなかった。

登場人物たちもすごくステレオタイプ的だな、と思っていたら作者が元お笑いの人だそうで、納得。
ステレオタイプというか、コント的だったのか。
コント的というか舞台的というのか。
そう思うと演出はなんとなく見えてくるし、ダラダラと長すぎる心の声も、舞台であれば、そういう演出はありそうだな、と思える。
しかし、これは小説なので、小説としての評価となるとどうしたってイマイチだ。

2019年 年間ベスト

  1. 平山夢明「ダイナー」
  2. 辻村深月「小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記」
  3. 紗倉まな「最低。」
  4. 井上真偽「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
  5. 綿矢りさ「憤死」
  6. 周木律「眼球堂の殺人」
  7. 今村昌弘「屍人荘の殺人」
  8. 市川憂人「ジェリーフィッシュは凍らない」
  9. 豊島ミホ「底辺女子高生」
  10. 宮下奈都「たった、それだけ」
  11. 小路幸也「空を見上げる古い歌を口ずさむ」
  12. 彩瀬まる「神様のケーキを頬ばるまで」
  13. 小林泰三「アリス殺し」
  14. 古処誠二「アンノウン」
  15. 江戸川乱歩「パノラマ島奇談」
  16. 壁井ユカコ「サマーサイダー」
  17. 詠坂雄二「インサート・コイン(ズ) 」
  18. 高山一実「トラペジウム」
  19. 月原渉「首無館の殺人」
  20. 辻村深月「きのうの影踏み」
  21. 朱川湊人「都市伝説セピア」
  22. 桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
  23. 高橋由太「紅き虚空の下で」
  24. 美輪和音「強欲な羊」
  25. 瀬尾まいこ「戸村飯店 青春100連発」
  26. 金原ひとみ「星へ落ちる」
  27. 豊島ミホ「夏が僕を抱く」
  28. 北山猛邦「猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数」
  29. 降田天「彼女はもどらない」
  30. よしもとばなな「ハゴロモ」
  31. 河野裕「いなくなれ、群青」
  32. アンソニー・ホロヴィッツ「カササギ殺人事件」
  33. 神宮司いずみ「校舎五階の天才たち」
  34. サキ「サキ短編集」
  35. 中町信「天啓の殺意」
  36. 三浦しをん「小暮荘物語」
  37. 柾木政宗「朝比奈うさぎの謎解き錬愛術」
  38. 彩坂美月「少女は夏に閉ざされる」
  39. 東野圭吾「赤い指」
  40. 小林泰三「世界城」
  41. 西尾維新「化物語」
  42. 湊かなえ「リバース」
  43. 西澤保彦「七回死んだ男」
  44. 麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」
  45. 橋本紡「彩乃ちゃんのお告げ」
  46. 乙野四方字「ミウ -skeleton in the closet-」
  47. 豊島ミホ「大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル」
  48. 清涼院流水「ジョーカー 」
  49. 清涼院流水「コズミック 」
  50. 早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」
  51. 歌野晶午「正月十一日、鏡殺し」
  52. 西本秋「闇は僕らをつないでいる」
  53. 根本聡一郎「プロパガンダゲーム」
  54. 雫井脩介「犯罪小説家」
  55. はやみねかおる「そして5人がいなくなる」
  56. 下村敦史「真実の檻」
  57. 河合莞爾「デッドマン」
  58. 蒼井上鷹「出られない五人」
  59. 笹沢佐保「どんでん返し」
  60. 貫井徳郎「ドミノ倒し」
  61. 村崎友「夕暮れ密室」
  62. 澁澤龍彦「秘密結社の手帖」
  63. 北森鴻「共犯マジック」
  64. はやみねかおる「亡霊は夜歩く」
  65. ジェシー・ケラーマン「駄作」
  66. 大山誠一郎「密室蒐集家」
  67. 深木章子「敗者の告白」
  68. 佐々木丸美「崖の館」
  69. 清涼院流水「全日本じゃんけんトーナメント」
  70. 日高由香「ゴメンナサイ」
  71. 青柳碧人「猫河原家の人びと 一家全員、名探偵」
  72. 太田忠司「僕の殺人」
  73. 悠木シュン「スマート泥棒」
  74. 小山田浩子「穴」
  75. 長崎尚志「闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル」
  76. 獅子文六「ちんちん電車」
  77. 堀内公太郎「スクールカースト殺人同窓会」
  78. 島田荘司「御手洗潔の挨拶」
  79. 堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」
  80. 菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」
  81. 藤崎翔「殺意の対談」
  82. 松下麻理緒「誤算」
  83. 小林由香「ジャッジメント」
  84. 朝倉宏景「白球アフロ」
  85. 小杉健太郎「神の子(イエス・キリスト)の密室」
  86. 美輪和音「8番目のマリア」
  87. 大石圭「60秒の煉獄」
  88. 小林聡美「読まされ図書室」
  89. 平川陽一「山と村の怖い話」
  90. 藤岡真「ゲッベルスの贈り物」
  91. 矢部嵩「紗央里ちゃんの家」
  92. 浅暮三文「困った死体」
  93. おかもと(仮)「空想少女は悶絶中」