何度かチャンレジして何度か諦めて、今回ようやく読了。
なんとなく肌に合わないんですよね。目滑りしちゃう。
とは言え、ちゃんと読んでみると評判がいいだけある。
とても素敵で、とても楽しい1冊だった。
財産家のおばが住まう崖の館を訪れた高校生の涼子といとこたち。ここで二年前、おばの愛娘・千波は命を落とした。着いた当日から、絵の消失、密室間の人間移動など、館では奇怪な事件が続発する。家族同然の人たちの中に犯人が?千波の死も同じ人間がもたらしたのか?雪に閉ざされた館で各々推理をめぐらせるが、ついに悪意の手は新たな犠牲者に伸びる。
引用:楽天ブックス
読みづらいのは僕の肌に合わないっていうのもあるかもしれないけど、やっぱり作者の筆力じゃなかろうか。
途中に割と長くある被害者である「千波」の日記。
あそこが、「涼子」視点の時と全く変わらなくて、途中なんども「涼子」の視点に戻ってしまったと勘違いしてしまう。
あそこで日付を書かない意味もわからないし、あまり読者を意識してないんじゃなかろうか。
その上、時代も感じる。
例えば主人公の涼子が高校生にしては子供っぽすぎたり、男女での役割分担があまりに大きすぎたり、と。
「孤島」「館」「密室」とミステリー好きの好物盛りだくさんですが、この小説は本当にいい意味で雰囲気小説だと思う。
変に小難しい哲学談義や絵画を中心とした芸術談義、さらには犯罪談義などなど、そういった登場人物たちの会話劇がとても魅力的。
そして彼ら・彼女らの関係性も恋愛を中心に入り組んでいて動機もなかなか魅力的になりそう。
けど、実際には動機はなんかよくわかんないんだよね。
密室のトリックなんかは「孤島」の「館」での「密室」と考えると、ちょっと物足りない
とは言え、だんだんと迫り来る恐怖のような雰囲気はしっかりとあって、サスペンス的な雰囲気はとても良き。
少女趣味的な雰囲気が強く、それが肌に合えば楽しめるんだろうな。
雰囲気なんかは本当に素敵なので、他のも読んでみようとは思っている。