もっと怪異とか伝承された物語を集めているのかと期待していたが、実際にはただの噂話や人間の犯した犯罪を「山の魔力のせいかもしれない」などと無理やりまとめているだけのものがほとんど。
特に人間の犯罪を「山の魔力」などというのは、被害者にとってとても失礼な考えだと思う。
ということもあって、自分にとっては不快な一冊。
日本の山々や村には、すぐそばに怪異が潜んでいるー。そこに生きる人々や、旅行で訪れた人々への取材によって集められた、数々の怪異の記憶を収録。死んでもなお歩き続けた学生の幽霊「鳳凰三山に消えた学生」、姥捨て山の怪事「秘湯の老婆」、死者の着物を水で濡らす村の習わし「『水かけ着物』に呼ばれる霊」など、実際に起きた話や伝承をまとめた、75篇の怪奇実話集。
引用:楽天ブックス
日本の山や村にそういう不思議な魅力というか魔力のようなものがあるのは確かだと思う。
だが、その雰囲気を出せているか、というと疑問。
あくまで不思議な話(本当かどうかは置いておいて実際に体験した・聞いた話)を集めているので、起承転結が無いのは仕方無いが、実際には結論出せるものも「不思議な話です」と無理やり結論づけているようにも感じる。
情景描写なんかがもっと上手ければリアリティというか、雰囲気出ただろうな。
何より別に怖くないんだよな。そこが一番問題。
個人的には退屈な一冊だった。