「底辺女子高生」を読んだらどうしても読みたくなって購入。
「底辺女子高生」はとても自虐的に面白おかしく書かれたエッセイだが、本書「大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル」はもう少し真面目にというか慎重に書かれていた。
こういうところに豊島ミホの器用さや、誠実さを感じてとても好印象。
やっぱり大好きな人だ。
他人から理不尽な仕打ちを受け、相手を憎いと感じているあなた、そして、スクールカーストがはびこる教室や空気を読み合う狭い人間関係に息苦しさを感じているあなたへ。高校時代にクラスメイトに傷つけられ、その精神的ダメージに長く苦しめられてきた著者が語る「憎しみ」「恨み」「傷」との向き合い方。
引用:楽天ブックス
岩波ジュニア新書ということで、ターゲッケトは中高生。
その年代がどれだけ、過敏で影響を受けやすいか自身の体験から知っているんでしょう、言葉をとても丁寧に、慎重に選んでいるのがすごくよくわかる。
個人的には、豊島ミホのテンポが良くて勢いのある文体がとても好きなので、本書は読み物としては少し満足度の下がるものだった。
「こうした方がいい」や「こうするべきだ」のように、はっきりとしたアドバイスとして書かれたことは本当にごくわずか。
「インターネットは完全な匿名じゃないので、書き込みが特定されることはあるからやめた方がいい」くらいだった。
基本的には著者が主に高校生のときに受けた扱い、言われた言葉、そこから感じたことを語り、そこから今自分はどうしているか。ということだけ。つまりただの体験談ではある。
当時心無い(足りない)大人から言われた言葉も簡単には否定せずに、それも正しい一面があることも認めた上で、自分は嫌だった、と語っている。
それでも、豊島ミホの人間性や誠実さに触れて、豊島ミホ本人のことを以前よりも好きになった。