2017年一番の話題作。じゃなかろうか。
映画化されるということもあり、文庫化。
そのタイミングでようやく読めた。
かなり売れた本だと思うんですけど、みんなこういうの好きだったっけ?と疑問はあるものの個人的には大好物。大好き!
最高最高最高。
予告編をみると、だいぶ脚色しているようですが、神木隆之介が葉村くんを演じるのか。
ほんともう、そういうところだぞ。
違うじゃん。オタク(童貞)と美少女(処女)のラブコメじゃん。
でも、出目やら高木さんやらもだいぶ変わってるみたいだし、キャラクターはまるっきり変えてるって判断でいいのかな。
でもなぁ、狭い関係性でのクローズドサークルってのがメタ・ミステリーとしては結構重要な要素だと思うんだけど・・・
『特に映画研究会の夏合宿に参加する』なんて最高すぎる舞台なんですけどね。
まぁ、メタ部分ってのは人を選ぶしね。
まぁ、見に行くか。浜辺美波かわいいし。
神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。たった一時間半で世界は一変した。数々のミステリランキングで1位に輝いた第27回鮎川哲也賞受賞作!
引用:楽天ブックス
本書「屍人荘の殺人」での一番のネタバレって”クローズドサークルの作られ方(ゾンビが大量発生して閉じ込められる。)”なんだろうな。
運良く僕はその部分を知らないで読めたのでラッキーだった。
映画が公開されたら、さすがにそんな情報も入ってしまっていただろうな。
こういうぶっ飛んだミステリー大好き。
大好物。
ぶっ飛んだクローズドサークルですが、トリックや犯人当てはとても本格。
第2の殺人でエレベーターにゾンビが乗ってこない方法は思いついたけど、ホワイダニット部分やその他のハウダニットなんかは全然わかんなかったし、もちろん犯人も最後の最後までわからなかった。
そして、犯人当てはすごく納得できるもので、気持ちいいくらい。
明智の早々の離脱は残念。キャラクターもいいし、探偵としてのキャラも立っていて、それこそ”これから”の探偵だと思ったので・・・
続編で生き返ってくれたりしないかなー・・・
ゾンビものを期待すると期待外れだと思う。
ゾンビものとして考えるとパニックは少ないし、極限状態における人間ドラマも全然ない。
あくまで、舞台装置(凶器としても)として用意されただけ。
そこに不満を覚える人は多いでしょう。
でも、本格ってそんなもんじゃね?ってのもある。
本格らしく(これもメタ・ミステリーとしてわざとなんじゃないかと思ってしまうくらいうまく)人間が書けていないが、その代わり、キャラクターはきちんと書けている。
それは、名付け方からそうだし、会話劇やキャラクター作りはラノベっぽさが強く、それこそ剣崎には「萌え」を感じるし、ラブコメもしっかりと入っている。
文体も割と軽めではあるけど、美しい部類に入るのではないでしょうか。
とかなんとかあって、全体的にやはり癖は強い小説だと思う。
それなのにこんなに売れて映画化までされた、ってのはなかなか興味深い。
とにもかくにも、個人的に大好きな作品。
めちゃめちゃ楽しかった。
大好き大好き。