貫井徳郎でここまで評価の低い小説があっただろうか。
Amazonで1.5ですよ。(2019.07)
貫井徳郎流のユーモアミステリ。そもそも貫井徳郎にユーモア求めている人が少ないんじゃないでしょうかね。
地方都市・月影市で探偵業を営む十村のもとに「殺人事件の容疑者となっている男の無実を証明して欲しい」と依頼が舞い込む。依頼人は元恋人の妹でとびきりの美人。しかも久しぶりの依頼にはりきる十村は,旧友の警察署長も巻き込んで,癖のある月影市の住人たちを相手に早速調査に着手する。しかし,過去に月影市で起きた別の未解決殺人事件との奇妙な共通点が見つかり,さらに別の事件の存在も浮かび上がる。ドミノ倒しのように真実を追えば追うほど連鎖する事件。その真相に探偵が迫るとき,恐るべき結末が待ち受ける――。人間の歪みと捩れを浮き彫りにする,衝撃の長編ミステリ。
引用:楽天ブックス
すごい終わり方。
打ち切りみたいな終わり方。
とにかくそのせいで評価が大きく下がっているのもあると思う。
まさか何も解決しないで終わってしまうとは。
リドルストーリーというにも物足りない。
それでも、それまでは割と面白いんですよね。
ユーモアミステリなんですけど、ユーモア部分はさすがにちょっとから回っている感じは否めない。
でも、さすがに読みやすい文体と気持ちいいテンポ。
そして何より、月影市の怖さの演出は見事。
変にハイテンションな探偵から見たやけにハイテンションな月影市の面々の怖さ。
そういう演出はさすがにうまい。
調査を進めるうちに、次から次へと新たな謎に巻き込まれていく話の展開も最高だし、ページが残りわずかになってきても全然解決しなさそうだし、っていうのは正直すごくワクワクした。
まさか、本当に解決しないで終わっちゃうとは思わなかったけど。