堀内公太郎「スクールカースト殺人同窓会」

前作「スクールカースト殺人教室」はそんなに好きじゃなかったんですけど、やっぱりタイトルとスクールカーストという題材が好きなので今作「スクールカースト殺人同窓会」も読む読む。

やっぱりいまいちだった。

あらすじ

高校のスクールカースト上位にいた男女七人は卒業後もそれなりの日々を送っていた。同級生を笑いながらイジメ殺した、そんな過去なんて無かったかのように。だが彼らの元に突然、死者からの同窓会案内状が届く。誰が秘密をばらしたか。疑心暗鬼の中、次々に殺されていく同級生達。そして事件は意外な方向へ…。登場人物全員クズのノンストップ・リベンジ・マーダー・サスペンス!
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

前作の登場人物、永沢南の過去にあった事件を引き金に同窓会とその近辺で事件が起きる。
前作とのつながりがこれくらいであれば、個人的には好み。
なんだけど、作品中にしょっちゅう前作の事件を匂わす描写が気になった。

事件は次々と起こり、テンポ感もよく、登場人物を全員クズにしようという意識のおかげでエンタメ感はあがっていて、前作よりも面白くなっている。
スクールカーストのトップ6人が過去に行っていたイジメのせいで同級生を殺してしまっているものの、当時は自殺と断定されたが、過去を知るものがいて・・・
というありがちなもの。

スクールカーストのトップ6人と言ってもそれぞれ立場はあって上下関係や愛憎も絡まり、複雑な感じに見せているけど、これもとてもありがちな関係性。
それよりも、スクールカーストのトップってそういうことか?
もっといわゆるリア充なんかがトップと呼ばれると思うんだけどな。
まぁ、そこは認識の違いということで。

過去にイジメのせいで殺された同級生の宇良に石を当てたのが、当時の恋人である越川であった、というのが判明するのが記者の川崎が撮っていた写真から。
でも、夜中でみんなに気付かれないということはフラッシュも無かったんだろうし、そんな状況で気付かれない距離から撮った写真で石が当たったかどうか、わかるわけがないんだけどな。
石を実際に当てたのが誰だった、というのも特に必要のないエピソードだし。
彼女が当てていた、という嫌なエピソードを入れたいだけだったんだろうけど、ちょっと安易すぎる。

まぁ、こういうエンタメ作で細かいこと突いてもしょうがないと言えばしょうがないけど、ミステリーであるのであれば、ある程度のルールはどうしても必要だし、リベンジものだとしたら樺を殺してしまったのは、あまりにやり過ぎだ。

前作の流れもあり、川崎が犯人というか黒幕でみんなを操っていたんだろうな、という所まではバレバレ。
だけど、その後が問題。

黒幕の磯神ことりについて

前作の真犯人である「磯神ことり」が今回も本当の黒幕として登場。
こういう、シリーズものを読んでいないと楽しめない。という構成は嫌いです。
”読んでいたらより楽しめる。”ならいいんですけどね。
まぁ、今回黒幕と言っても本当に最後の最後に出てくるだけなので、犯人当て、という感覚では無視していいくらいですけども。
前作のファンはうれしいんだろうけど、前作のファンでもない僕は最後の最後で興ざめ。
せめてもっとわかりやすく続編であることを打ち出すべきではなかろうか。

2019年 年間ベスト

  1. 平山夢明「ダイナー」
  2. 辻村深月「小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記」
  3. 紗倉まな「最低。」
  4. 井上真偽「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
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  6. 周木律「眼球堂の殺人」
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  10. 小林泰三「アリス殺し」
  11. 古処誠二「アンノウン」
  12. 江戸川乱歩「パノラマ島奇談」
  13. 壁井ユカコ「サマーサイダー」
  14. 詠坂雄二「インサート・コイン(ズ) 」
  15. 高山一実「トラペジウム」
  16. 辻村深月「きのうの影踏み」
  17. 朱川湊人「都市伝説セピア」
  18. 桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
  19. 高橋由太「紅き虚空の下で」
  20. 美輪和音「強欲な羊」
  21. 瀬尾まいこ「戸村飯店 青春100連発」
  22. 金原ひとみ「星へ落ちる」
  23. 豊島ミホ「夏が僕を抱く」
  24. 降田天「彼女はもどらない」
  25. よしもとばなな「ハゴロモ」
  26. 河野裕「いなくなれ、群青」
  27. 神宮司いずみ「校舎五階の天才たち」
  28. サキ「サキ短編集」
  29. 中町信「天啓の殺意」
  30. 三浦しをん「小暮荘物語」
  31. 柾木政宗「朝比奈うさぎの謎解き錬愛術」
  32. 彩坂美月「少女は夏に閉ざされる」
  33. 東野圭吾「赤い指」
  34. 小林泰三「世界城」
  35. 湊かなえ「リバース」
  36. 西澤保彦「七回死んだ男」
  37. 麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」
  38. 橋本紡「彩乃ちゃんのお告げ」
  39. 歌野晶午「正月十一日、鏡殺し」
  40. 西本秋「闇は僕らをつないでいる」
  41. 根本聡一郎「プロパガンダゲーム」
  42. 雫井脩介「犯罪小説家」
  43. はやみねかおる「そして5人がいなくなる」
  44. 下村敦史「真実の檻」
  45. 河合莞爾「デッドマン」
  46. 蒼井上鷹「出られない五人」
  47. 笹沢佐保「どんでん返し」
  48. 貫井徳郎「ドミノ倒し」
  49. 村崎友「夕暮れ密室」
  50. 澁澤龍彦「秘密結社の手帖」
  51. 北森鴻「共犯マジック」
  52. はやみねかおる「亡霊は夜歩く」
  53. ジェシー・ケラーマン「駄作」
  54. 大山誠一郎「密室蒐集家」
  55. 深木章子「敗者の告白」
  56. 清涼院流水「全日本じゃんけんトーナメント」
  57. 日高由香「ゴメンナサイ」
  58. 青柳碧人「猫河原家の人びと 一家全員、名探偵」
  59. 小山田浩子「穴」
  60. 長崎尚志「闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル」
  61. 獅子文六「ちんちん電車」
  62. 堀内公太郎「スクールカースト殺人同窓会」
  63. 島田荘司「御手洗潔の挨拶」
  64. 堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」
  65. 菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」
  66. 松下麻理緒「誤算」
  67. 小林由香「ジャッジメント」
  68. 小杉健太郎「神の子(イエス・キリスト)の密室」
  69. 美輪和音「8番目のマリア」
  70. 大石圭「60秒の煉獄」
  71. 小林聡美「読まされ図書室」
  72. 藤岡真「ゲッベルスの贈り物」
  73. 矢部嵩「紗央里ちゃんの家」
  74. 浅暮三文「困った死体」
  75. おかもと(仮)「空想少女は悶絶中」