長崎尚志「闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル」

MONSTERや20世紀少年に関わって来た長崎尚志の小説。
漫画編集者の書いた小説ということで、話も漫画に関わるもの。
ドラマ化されてたんですね。
ドラマに向いてそうというか、映像に向いてそう。あとは当然漫画にも向いていそう。

小説としては、ちょっと物足りない部分がある。
それより気になったのは、余計な部分が多すぎる。
漫画のハウトゥー的なものだったり、説明過多すぎる部分や、不要な表現、不要な描写がちょっと多すぎる。

あらすじ

元警察官の“探偵”水野優希がコンビを組んだのは、容貌魁偉、博覧強記、かつとても感じの悪いフリー編集者・醍醐真司だった。巨匠漫画家のスタジオに残されていた、未発表作品の謎の解明を依頼されたのだ。やがて、この画稿と過去の連続女性失踪事件が重なりはじめ――。『MASTERキートン』はじめ数々のヒット作を手がけてきた著者が全ての力を注ぎ込んだ、驚天動地の漫画ミステリ。
引用:楽天ブックス

ネタバレありの感想

おそらく作者がキャラクターのイメージをしっかり持っているんじゃないだろうか。
見た目でのイメージというか。
それが小説で読むとちょっとキャラが弱くなり、小澤が<漫画編集者>だったというのは、一個目の”驚愕の真実”だったんでしょうけど、小説内だけではキャラが弱く、なんか急だな、という感想。

どんでん返しが好きなんでしょうけど、後半はやりすぎというか「どんでん返しのためのどんでん返し」という感じで、貝原の登場はあまりにいきなりすぎるし、ここでもなんか急だし途中からどうでもよくなる感じはある。

漫画に対する知識や漫画編集に対する想い、などはとても面白く、久しぶりに手塚治虫や楳図かずおなど出て来た漫画読みたくなった。
だけど、シリアスな事件にこういう現実世界の蘊蓄なんかが挟まれることで、気持ちはその度にフィクションから離れていく。
現実は強いんだから、物語中にはある程度切り離すことを考えて欲しい。

シリーズものだそうで、ちょっと興味はあるけどとりあえずは読まないかな。

2019年 年間ベスト

  1. 平山夢明「ダイナー」
  2. 辻村深月「小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記」
  3. 紗倉まな「最低。」
  4. 井上真偽「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
  5. 綿矢りさ「憤死」
  6. 周木律「眼球堂の殺人」
  7. 市川憂人「ジェリーフィッシュは凍らない」
  8. 宮下奈都「たった、それだけ」
  9. 古処誠二「アンノウン」
  10. 江戸川乱歩「パノラマ島奇談」
  11. 壁井ユカコ「サマーサイダー」
  12. 詠坂雄二「インサート・コイン(ズ) 」
  13. 高山一実「トラペジウム」
  14. 辻村深月「きのうの影踏み」
  15. 朱川湊人「都市伝説セピア」
  16. 桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
  17. 高橋由太「紅き虚空の下で」
  18. 美輪和音「強欲な羊」
  19. 瀬尾まいこ「戸村飯店 青春100連発」
  20. 金原ひとみ「星へ落ちる」
  21. 豊島ミホ「夏が僕を抱く」
  22. よしもとばなな「ハゴロモ」
  23. 河野裕「いなくなれ、群青」
  24. 神宮司いずみ「校舎五階の天才たち」
  25. サキ「サキ短編集」
  26. 中町信「天啓の殺意」
  27. 三浦しをん「小暮荘物語」
  28. 彩坂美月「少女は夏に閉ざされる」
  29. 東野圭吾「赤い指」
  30. 湊かなえ「リバース」
  31. 西澤保彦「七回死んだ男」
  32. 麻耶雄嵩「貴族探偵対女探偵」
  33. 根本聡一郎「プロパガンダゲーム」
  34. 雫井脩介「犯罪小説家」
  35. はやみねかおる「そして5人がいなくなる」
  36. 下村敦史「真実の檻」
  37. 河合莞爾「デッドマン」
  38. 蒼井上鷹「出られない五人」
  39. 貫井徳郎「ドミノ倒し」
  40. 澁澤龍彦「秘密結社の手帖」
  41. 小山田浩子「穴」
  42. 北森鴻「共犯マジック」
  43. はやみねかおる「亡霊は夜歩く」
  44. ジェシー・ケラーマン「駄作」
  45. 大山誠一郎「密室蒐集家」
  46. 深木章子「敗者の告白」
  47. 日高由香「ゴメンナサイ」
  48. 長崎尚志「闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル」
  49. 獅子文六「ちんちん電車」
  50. 堀内公太郎「スクールカースト殺人同窓会」
  51. 島田荘司「御手洗潔の挨拶」
  52. 堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」
  53. 菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」
  54. 松下麻理緒「誤算」
  55. 小林由香「ジャッジメント」
  56. 小杉健太郎「神の子(イエス・キリスト)の密室」
  57. 美輪和音「8番目のマリア」
  58. 大石圭「60秒の煉獄」
  59. 小林聡美「読まされ図書室」
  60. 藤岡真「ゲッベルスの贈り物」
  61. 矢部嵩「紗央里ちゃんの家」
  62. おかもと(仮)「空想少女は悶絶中」