澁澤龍彦「秘密結社の手帖」

「秘密結社」という言葉に何か惹きつけられるものがある人は多いのではなかろうか。
知的好奇心と言えば高尚すぎる。
普段知ることのできない世界・価値観を覗き見ることへの快感がある。

「秘密結社」という言葉で何かワクワクしてしまう人はきっと楽しめる一冊。

あらすじ

グノーシス派、薔薇十字団、フリーメーソン―。たえず歴史の裏面に出没し、社会に影響を及ぼしつづける人間集団、秘密結社。排他的で、儀式の秘密を共有するこの妖しい集団はいつ作られ、何を行ってきたのか。正史では扱われることの少ない秘密結社の数々とその実態を紹介する、知の迷宮を彷徨うエッセイ。
引用:Amazon「秘密結社の手帖」

感想

タイトルに惹かれて購入して、この本で大きく不満を持つ人は少ないだろう。
とても幅広く、そして深くまで研究されている。
作者自身がとても強く「秘密結社」に惹かれながらも、フラットな目線で「秘密結社」を見ているのがわかる。
フラットな目線で書かれているため、無責任な推察などは全然なく、陰謀論や都市伝説などが好きでそういうものを期待している人にとっては、期待していたものとは違う本だろう。
実際僕自身が、都市伝説的な本だと思っていたので、面食らったもののとても興味深く思える所も多く楽しめた。何より読みやすい。

秘密結社が秘密結社足り得る理由として、部外者からは奇異に見られるであろう入社式の数々。そこに目を付け、掘り下げていったのはとても見事。
確かに、そこから何かが見えてきそうな感じがするし、何より面白い。

2019年 年間ベスト

  1. 辻村深月「小説 映画ドラえもん のび太の月面探査記」
  2. 平山夢明「ダイナー」
  3. 紗倉まな「最低。」
  4. 井上真偽「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
  5. 綿矢りさ「憤死」
  6. 周木律「眼球堂の殺人」
  7. 古処誠二「アンノウン」
  8. 江戸川乱歩「パノラマ島奇談」
  9. 壁井ユカコ「サマーサイダー」
  10. 詠坂雄二「インサート・コイン(ズ) 」
  11. 高山一実「トラペジウム」
  12. 朱川湊人「都市伝説セピア」
  13. 桜庭一樹「少女七竈と七人の可愛そうな大人」
  14. 高橋由太「紅き虚空の下で」
  15. 美輪和音「強欲な羊」
  16. 瀬尾まいこ「戸村飯店 青春100連発」
  17. 金原ひとみ「星へ落ちる」
  18. サキ「サキ短編集」
  19. 中町信「天啓の殺意」
  20. 東野圭吾「赤い指」
  21. 湊かなえ「リバース」
  22. 西澤保彦「七回死んだ男」
  23. 根本聡一郎「プロパガンダゲーム」
  24. はやみねかおる「そして5人がいなくなる」
  25. 下村敦史「真実の檻」
  26. 河合莞爾「デッドマン」
  27. 蒼井上鷹「出られない五人」
  28. 澁澤龍彦「秘密結社の手帖」
  29. 小山田浩子「穴」
  30. 北森鴻「共犯マジック」
  31. はやみねかおる「亡霊は夜歩く」
  32. ジェシー・ケラーマン「駄作」
  33. 日高由香「ゴメンナサイ」
  34. 長崎尚志「闇の伴走者 醍醐真司の博覧推理ファイル」
  35. 獅子文六「ちんちん電車」
  36. 島田荘司「御手洗潔の挨拶」
  37. 堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」
  38. 菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」
  39. 松下麻理緒「誤算」
  40. 小杉健太郎「神の子(イエス・キリスト)の密室」
  41. 美輪和音「8番目のマリア」
  42. 藤岡真「ゲッベルスの贈り物」
  43. 矢部嵩「紗央里ちゃんの家」