就活をテーマということで「何者」を少し思い出したけど、全然違った。
ゲームの舞台が就活の面接というだけで、就活生である必要性なんかは全くないです。
まぁ、ゲームをちゃんとやらせる舞台としては就活生というのはなかなかいいのかもしれない。
これで、生死が関わるようなデスゲームにしたらまた凡百のものになってしまっていただろう。
「君たちには、この戦争を正しいと思わせてほしい。そのための手段は問わない」
大手広告代理店「電央堂」の就職試験を勝ちあがった大学生8名。
彼らに課された最終選考の課題は、宣伝によって仮想国家の
国民を戦争に導けるかどうかを競うゲームだった。勝敗の行方やいかに、
そしてこの最終選考の真の目的とは?――先の読めないゲーム展開と衝撃のラストが、
宣伝広告の本質、ネット社会における民主主義とはなにかを読者に問いかける。
アマゾン電子書籍の人気作を大幅改稿した完全版!
引用:楽天ブックス
まず思ったのが、ゲームとして面白そう。
恐らく何かしらのボードゲームから着想を得たんだろうけど、ルールはすごくシンプル。
やけにルールを追加しすぎてゲームっぽくなりすぎるものが多い中、これくらいシンプルなルールだと人間の考えや行動が入るスペースが多くて良いと思う。
ただ、キャラクターが物語にとって都合良く動きすぎている感はある。
どちらのチームも綺麗にスパイが自チームに紛れていることを忘れているとしか思えない言動が多すぎる。
政府側も視点人物である後藤以外の3人全員がカメラの前に立つことの危なさを考えられないことや、レジスタンス側も自分が運用する市民アカウントを全員で確認し合ってしまうことなんか迂闊すぎる。
ラストの展開は蛇足。
あくまで面接の一環として行なっていた「プロパガンダゲーム」では地味だと思ってしまったのか。
話に緊迫感やスケール感なんかを与えたくてリアルな世界での話を追加したかったんでしょうけど、あまりに急だし、その割にはありがちな展開で残念。
それまでのゲームで充分緊迫感があったと思う。
ところでチョップ軍隊ってラーメンズからかな。