「強欲な羊」がよかったので、楽しみにしていたらいまいちだった。
角川ホラー文庫で楽しいと思ったことがないような気が・・・
ホラー自体にそんなに興味がないせいかもしれない。
本書「8番目のマリア」はよくある、デスゲームもの。
デスゲームもの好きで、点数甘くなるような人にはいいかもしれないけど、デスゲーム好きでもない人やデスゲーム好きだから点数辛くなるような人だと、とても退屈なものになると思う。
目覚めると7角形の部屋にいた中学時代の同級生7人に、仮面をかぶった人物が告げる。「皆様方のチャクラには悪しきカルマが蓄積しています。7人に共通する罪を告白して浄化するとともに、罪の主犯を多数決で決めてください」7色の椅子に拘束され、迎えた1回目の投票、最多得票の元同級生は首を吊られて殺された―。戦慄の心理戦の先に浮かび上がる真相とは!?驚愕のラストまで、一気読み必至のシチュエーションホラー!!
引用:楽天ブックス
本当によくあるタイプのデスゲームもの。
いや、僕はデスゲームものをそんなに数多く読んでいるわけではないので、確かなことは言えないんですけど、僕が読んできたデスゲームものと比較すると、本当によくあるタイプ。
眠りから覚めると昔からの仲間内である7人で密室に閉じ込められていて、口先で相手を騙し、投票をさせて仲間を脱落させていく。
彼らには、過去に犯した罪があり、それを告白しなければいけない。
というあらすじを1ヶ月後に聞いたらもうこの作品だって気づくことが出来ないかもしれない。
ヒントとして「登場人物はそれぞれ色にちなんだ名前がついています」とまで言われても、この作品だとは気づけない。
それくらい後に残るものが無かった。
告白される罪の内容も面白くないし、登場人物も頭が悪いキャラクターが多く心理戦も全くと言っていいほど無し。
次こいつが脱落するんだろうな、というのもバレバレで驚きも少ない。
結末もありがちで驚きはなく、へー、そうなんだ。くらい。
登場人物たちのキャラクターもブレブレで、本書ではこういう点で「脚本家の書いた小説」という弱点がすごく出てしまった。
悪い意味で映像的な視点でしか描けていない。
人の内面を描き切れていない。
画面の向こうからしか人物を見ていない。
映像ってあくまで第3者としての視点でしか物語を描けないんだな。って気付いた。
だから僕は映像よりも小説が好きなんだな。
そこに気づかせてくれたことには感謝。