堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」

素晴らしいタイトル。
スクールカーストって題材大好きなんですよね。
そして大好きな新潮文庫NEXということで期待値は高め。

とても読みやすく2日で読了。
裏切られる点などはなく、物足りなさはある。

あらすじ

クラスの女王に媚を売り、カースト底辺はイジり倒す。それが殺された人気教師の素顔だった。犯人候補は多数。警察が捜査を始めた矢先、保健室に謎の手紙が届きだす。明かされる上位メンバーの過去、裏切り、そしてイジられ役からの悪魔誕生。1年D組に復讐ゲームが始まる中、第二、第三の死者も発生し……。すべてを計画した“神”は誰だ? 衝撃的結末の学園バトルロワイヤル!
引用:Amazon「スクールカースト殺人教室」

このあらすじ書いたの誰だろう。最低だ。

ネタバレありの感想

「黒幕」が磯神ことりというのは、まぁ、序盤で想像がつく。もっとわかりやすく怪しい描写があれば、メタ的に違うって思ったかもしれないけど、ちょうどいいくらいに「黒幕」感が強い。
スクールカーストをタイトルに持ってきておいて、「教師が黒幕でした」じゃ納得できないもんね。
スクールカーストって題材はすごい好きなんだけど、そこをうまく使いきれていない感じはあった。

気になったのは、保険医の黒川サキにみんな手紙渡しすぎ。
おまじないみたいなもので、ラブレターを渡すまでは、まぁギリギリ納得できる。
でも、殺人計画の手紙を渡す?しかも大人が?
さすがに浅はかすぎる。
トリックありきで作った設定とキャラクターなんだろうけど、さすがに安易な所で終わらせちゃってる印象。
ここをもっとちゃんと理由作りしてくれたら評価が結構違うものになっていた。

でも、本書で一番問題なのはあらすじ。
上記のやつ見てほしいんだけど、これが本当にひどいのは、読んだ人ならわかってくれると思う。
「それが殺された人気教師の素顔だった。」人気教師なんて描写ほとんど無い。
「警察が捜査を始めた矢先、保健室に謎の手紙が届きだす。」そんなこと無い。
「復讐ゲーム」どこが?
「学園バトルロワイヤル!」バトルロワイヤルでは無い。そんな印象全く無い。
「すべてを計画した“神”は誰だ? 」なにより一番ひどいのがこれ。
小説内では、一人目の「黒幕」として用意した「黒川サキ」が後半になって初めて「神」の存在を匂わせたおかげで「磯”神”ことり」に注目が集まるようにしているのに、あらすじ”神”=黒幕ってばらしたら名前から気付けてしまうでしょうが。
ここまでひどいあらすじはなかなか無いよね。あらすじというよりはネタバレと、嘘。

あらすじは本当にひどいと思うけど、作品そのものは基本的には好きな方。
「スクールカースト殺人同窓会」も読んでみよう。
きっと続編なんだよね?

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  21. 堀内公太郎「スクールカースト殺人教室」
  22. 菅原和也「あなたは嘘を見抜けない」
  23. 松下麻理緒「誤算」
  24. 藤岡真「ゲッベルスの贈り物」