Nobutake
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竹宮ゆゆこ「知らない映画のサントラを聴く」

「砕け散るところを見せてあげる」がとてもよかったので、期待はすごくあって読み始めたが、期待を軽々上まってくれた。

あらすじ

大学受験を間近に控えた濱田清澄は、ある日、全校集会で一年生の女子生徒がいじめに遭っているのを目撃する。割って入る清澄。だが、彼を待っていたのは、助けたはずの後輩、蔵本玻璃からの「あああああああ!」という絶叫だった。その拒絶の意味は何か。“死んだ二人”とは、誰か。やがて玻璃の素顔とともに、清澄は事件の本質を知る……。小説の新たな煌めきを示す、記念碑的傑作。
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知らない映画のサントラを聴く (新潮文庫nex)
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感想

竹宮ゆゆこだし、新潮文庫nexということもあるし、当然のように、あらすじからしてすごくライトノベル寄りな作品で、文体や設定もかるくてふざけています。
それでも、なのか、それだからこそ、なのか確かに「小説の新たな煌めきを示す、記念碑的傑作。」です。

素晴らしい一文が要所要所にあるし、登場人物もとても愛おしい一冊。

感想(ネタバレあり)

実はとても重いテーマを扱っていて、深く暗く重く書いていくことはきっと簡単というか、それが素直な書き方をするべき物語、それでも作者のプライドなのか、どうしてもキャラクターを際立たせたかったせいなのかは僕にはもちろんわかりませんが、とてもコミカルに描かれた物語で、そういうギャップは個人的にとても好物。
悩ましく、とても綺麗な物語を描く太宰治に通じるものがある、と言ったらそれは言い過ぎですかね。

素敵な一節や一文はたくさんある一冊ですが、その中でも僕が好きな、物語後半に出てくるこんな一文。とても素敵だ。

自力でレシピを見つけ出して、好きなだけ作って、いっぱい食べて、元気になれ。
引用:竹宮ゆゆこ「知らない映画のサントラを聴く」