大人江戸川乱歩は結構読んでいたのですが、こども江戸川乱歩はほとんど読んだことがなかったです。
そんな僕ですが、とうとう少年探偵団シリーズに手を出しました。
まさかこんなに面白いとは。
江戸川乱歩すごい。
良き良き。
―ロマノフ王家の大ダイヤモンドを、近日中にちょうだいに参上する 二十面相―ゆくえ不明だった壮一君の、うれしい帰国のしらせとともに、羽柴家に舞いこんだ予告状。変装自在の怪盗は、どんな姿で家宝を盗みに来るのか。老人、青年、それとも…。怪人「二十面相」と名探偵明智小五郎、初めての対決がいま始まる。
引用:楽天ブックス
まずは、ただただ面白いの一言。
おどろおどろしい雰囲気、はちゃめちゃながらも筋の通った展開。
何度も繰り返される二十面相と小林少年や明智小五郎の対決。
表紙や挿絵もとても良き。
二十面相の「人殺しはしない」というポリシー。
子供向けということでこういうキャラクターにしたのだろうけど、これがまたかっこいい。
高価な美術品なんかを盗み、その時の種明かしまでしてくれるという親切さ。
それがまた、少し可笑しさがありながらも大胆不敵なキャラクターを演出していて、一層かっこよく見えてくる。
悪人がかっこいいとこういう対決ものは本当に輝いてくる。
そりゃ人気シリーズになるはずだ。
東京が舞台ながらもどこか非現実的な風景に見えてくるのは、さすがの江戸川乱歩の筆力。
この現実と非現実の隙間を漂う雰囲気はまさしく江戸川乱歩そのもので、そこに探偵対怪盗というとてもポップなドラマが起こる。
どうしたってワクワクするし、そのワクワクを裏切らない展開。
探偵ものといっても推理とかはアレなんですが。
いや、探偵ものじゃなくて怪盗ものなのか。
これまで、探偵としては明智小五郎って完全無欠すぎてあんまり好きじゃなかったんですけど怪人二十面相と相対するとこんなにも魅力的に見えるのかと衝撃。
ドはまりの予感がします。
早く全巻集めなきゃ(使命感)。