2018年の僕はあまり働かなかった。
5月で仕事を辞めて11月から復帰して、と5ヶ月間働いていなかった。
おかげでたくさんの本を読むことができた。しめて123冊。
大学生時代には年間100冊読むって決めてがんばって守っていた。
がんばって本を読むってなんだよ、って思って卒業後はそういうのは無しにして好きな時に好きな本を読むだけにしていた。
それでだいたい年に50~70冊くらい読んでたんじゃないかな。って程度。
今年、僕の中で特別読書が楽しかったのと、仕事を辞めて暇なのが重なったこともあって、今年は多くの本を読めた。
本当に楽しかった。
本屋には、作家さん達には、面白い本を教えてくれた友達には、そして本には感謝しかない。
この記事の最後に年間の順位をつけたもの入れてるんだけど、今見返すと納得いかない位置に納得いかない本があったりもする。
読んだときの瞬間風速のせいで他の本と比べた時にずれが生じるのよね。
読み終わった瞬間大好きだったのに、だんだんと印象薄くなってしまったり、逆に読んでずいぶん時間たつけどやっぱり面白かったなぁ、ってだんだんと印象が濃くなっていく作品もある。
作家としては今年西加奈子に出会えたのがうれしい。
僕にとっての新人賞だ。
今更で申し訳ございません。
もちろん前から気になっていて本も何冊か積ん読していたところ、ヤシロに勧められて金沢旅行中の旅本として「ふる」を。
これも面白かったし、「漁港の肉子ちゃん」も最高だった。
もっと尖った文体の作家なのかと勝手に思っていた。
文体はとても素直で読みやすい。
キャラクター描写もリアルな面や不可思議な面もあって、これぞ人間って感じだ。
一人の人物にちゃんと多様性があると人間って感じがするよね。
情景とか書くのも上手だし、ドラマの作り方も上手。
そして、その上手さが全然押しつけがましくなくて、すんなりと登場人物の心情や、彼ら・彼女らに起こるドラマを体験できる。
「コンビニ人間」は大好きな村田紗耶香の直木賞受賞作ってことですごくすごく期待していただけに残念。
これが村田紗耶香の本領だと思われたくないな。
全部の本を読んだわけじゃないけど、村田紗耶香は「殺人出産」が最高だと思う。あと、割と最近読んだ「タダイマトビラ」もすごくよかった。
女性作家っていう共通点だけで言うと、竹宮ゆゆこも語りたくなる。
僕は竹宮ゆゆこが大好きなんだと思う。
もちろん、ライトノベル成分強すぎるって思うことはあるんだけど、そんな感想もひっくり返せる力強さがある。
「あしたはひとりにしてくれ」なんかは素晴らしい一節もあったし、ラノベ出身ってことをちゃんと武器に力強い小説を書いてるのがとても好印象。
中村文則も好きだな。
と言っても去年読み始めてまだ「遮光」と「何もかも憂鬱な夜に」の2冊しか読んでないんだけど、どっちもとてもよかった。
去年、とうとう初めてこども江戸川乱歩を読んだ。「怪人二十面相」を読んだ。これがちょっと想像以上の面白さで、今江戸川乱歩読みたい浴が高まっている。
今年はこども乱歩はもちろん、大人乱歩もまた読もう。
2018年は東野圭吾を多く読んだ。
6冊。
やっぱり読みやすさと信頼できる感じがありつつの、ちゃんと裏切りもしてくれてどれを読んでも楽しい。
「仮面山荘殺人事件」すごい楽しかったなぁ。今年も読もう。
去年はとにかく詠坂雄二「電氣人間の虞」が最高だった。
世界観からトリックまでドンピシャで好み。
とにかく大好物な小説。
あまりにこの1冊が好きすぎてこの作者の他の本積ん読中。
今年は読もう。
ミステリーでは他に、鳥飼否宇「死と砂時計」もすごくよかった。
終末監獄で起こる事件の数々とかいう、これも個人的にドンピシャすぎる世界観。
ホワイダニット(何故?)に焦点を当てた連作短編集でミステリーとしては変化球なはずなのにものすごく本格。
最高に楽しい。
面白い本もあれば、つまらない本もあるのは当たり前。
つまらないのか、僕に合わないだけなのか。
まぁ、しょうがないよね。
去年一番嫌いだった本は村田治「名探偵は推理しない」。
こういうメタっぽい設定のミステリーは嫌いどころか大好きな方なんだけど、これはひどかった。
アンチミステリしようとしてんだろうけど、使い古された理論をダサいキャラクターと稚拙な筆力でだらだらと。
もう二度とこの作者の本は読まない。
ネタバレになるので詳しくはここでは書かないですが「誘拐した人をどうやって運んだのか?」って謎解きすごいですよ。
この小説の中にはバカしかいないことの証明。
川村元気「世界から猫が消えたなら」はプロデューサーとしての彼の功績から考えると期待外れも甚だしい。
彼が関わった作品で好きなものもいくつかあったので期待はしていた。
でも、タイトルからしてつまらなそうではあった。そしてこのタイトルから受けるつまらなさまんまの小説だった。
とにかく陳腐。死生観の薄さ。そこらへん。
目標は立てたくないけど今年も100冊くらいは読みたいな。
もっと本を読む癖をつけたい。
スマホを見ている時間を減らしたい。
情報量としては圧倒的にスマホの方があるんだろうけど、それでもやっぱり本って好きだな、って再確認できた年だった。
そこに対する感謝として本を読みたい。