「出版禁止」は割とよかった。
物語としてはあんまりだったんだけど、クイズ本というか、謎解き本としてなかなかよかった。
と言うことで本書も。
短編集らしいので、謎解き本としてはより良いのではないか?と思ったけど、つまらぬ。
まぁ、結局は「放送禁止」を見ないと長江俊和のことは判断できないんだろうけど、見てないから今の段階では長江俊和の作る物語はいまいち。としか思えない。
本書に関しては、肝心の謎解き部分もイマイチどころか、つまらなかった。
テレビはあんまり見ないんだけど、それでも僕はドキュメンタリーやフェイクドキュメンタリーは好きな方なはず。
それでも、本書はドキュメンタリーっぽさが全然足りない。
あくまで小説であって、フィクションにしか見えない。もっと上手い見せ方、読ませ方を誰か教えてあげてくれ。
人の死を見るツアーに参加したジ ャーナリストが目にした異様な光景(「原罪 SHOW」)、マンションの天井裏に潜む歪んだ愛(「マンションサイコ」)。恋愛していたら決して読んではいけない戦慄作「斯くして、完全犯罪は遂行された」の他、不気味な読み味の「杜の囚人」と、どんでん返しに言葉を失う表題作「掲載禁止」。繰り出される謎と仕掛けに、一行たりとも目を離せない衝撃の作品集!
引用:楽天ブックス
謎解き本として期待していたし、それを期待されてることを知っているはずだけど、ほとんど謎はない。
正直どれもいまいち。
お金を払って人の死を見ることができるツアーという、ありがちだけど魅力的な舞台設定は用意されたものの、それ以後が何もなし。
バレバレすぎるヒント(「Ki」「SHOW」「Ten」「K2」という章分けや別の局のディレクターの存在)ももう少し隠せるように努力して欲しかった。
1章が「Ki」って時点でバレちゃう。
せめて序破急から取ればもうちょっと気づかなかったと思う。
ただただ、ややこしくしてるだけの話。
うーん・・・面白くないんだよね。単純に。
キャラクターや考え方がすごくインターネット的というか、インターネットで見たような話感がすごくある。
そういうのは、インターネット上で体験談っぽく見えるから楽しめるのであってそれを紙の本として読むと冷めちゃうね。
本書の中では一番よかった。
まぁ、これも謎解きとしては全然ダメだけど。
妹がビデオをずっと回しているという、非現実的な設定で宗教扱ってくれるだけでちょっと楽しい。
それだけだけど。
タイトルと紫音が出てきた時点で全部見えてしまう。
男や希和子の行動が迂闊すぎたりして全然気持ちが入らない。
表題作。
掲載禁止というタイトルなのに、またもやビデオカメラが主題。
品格会の考え方がそれこそネットで見た意見をまとめただけのもので、残念。
品格会の思想がもっと独自のものであったら、文学的側面も出てきたり、恐ろしさの演出にもつながったんじゃないかな。
全体的に楽しめなかった。
「放送禁止」を見なきゃいけないってのはわかってるんだけどね。
テレビを見るって行動がめんどくさい。