回想シーンのような作中作のような話が入り組んだ構成で、その時点で個人的に好み。
驚愕のオチっていうほどではなかったが、面白かった。
とても良き。
初読みの作家さんだったんだけど好きかもしれない。
他のも読みたい。
赤いドアの小さな部屋に誘われるように入り込んだ3人の男女。自信あふれる免疫学専門の大学講師・夏木祐子、善良そうな開業医の妻・船出鏡子、そして若く傲慢な売れっ子作家・佐島響。見ず知らずの彼らは、なぜ一緒にこの部屋に閉じ込められたのか? それぞれが語りだした身の上話にちりばめられた謎。そして全ての物語が終わったとき浮かび上がる驚くべき真実――。鮎川哲也賞作家が鮮やかな手法で贈る、傑作ミステリー!
引用:楽天ブックス
仕事が始まったので、日にちはかかってしまったが、結構集中して読めた。
「SAW」オマージュかと思いきや、サルトルの「出口なし」というのがあるんですね。
そもそも「SAW」も「出口なし」オマージュなのかな。
この設定最高だ。
そもそも3人になんの繋がりもないわけがないので、何かしらあるのだろうと言うところまでは簡単に予想がついてしまうのは当たり前。
作家を中心に時系列がずれているのも序盤でわかる。
3人それぞれの話に出てくるどれかが、同一人物なんだろう。と考えながら読む。
まさか孝臣とは。
読了後考えてみると孝臣の精神性はまさしくサイコだし、本命なのかもしれないし、丁寧に女装の件も書かれていたのにすっかり騙された。心地よい騙され方。
梅喜代が男の喜ばせ方を知っているとか、身長が高いとか、手足が長いとかヒントはしっかりと書かれていた。
鏡子との繋がりは見事。
メイ子の母親がああなっているというのはさすがにショックだし、人生とはなんぞやと思ってしまう。
ミステリー(殺害方法)の解決編はいまいち。
トリックがどうだとか方法がどうだとかは全然本筋ではない。
とても良き。
なかなか楽しかった。