円城塔「オブ・ザ・ベースボール」

難解とは聞いていたけど、本当に難解だった。
そんな円城塔の中では比較的読みやすいと聞いて。
とは言え難解だったが、面白さもしっかりとあった。

本当に人間が書いたのか?
AIが書いたんじゃないのか?ってくらいの不条理さ。
どことなくユーモラスな感じはあるものの、気味悪さも感じる。
不気味の谷のような。

「オブ・ザ・ベースボール」と「つぎの著者につづく」の2編。
「オブ・ザ・ベースボール」は割と楽しめたけど、「つぎの著者につづく」は全然入ってこなかった。

あらすじ

「道化師の蝶」で第146回芥川賞を受賞した円城塔氏のデビュー作が登場。ほぼ一年に一度、控えめに見ても百人を下ることのない人間が空から降ってくる町、ファウルズ。単調で退屈な、この小さな町に流れ着き、ユニフォームとバットを身につけ、落ちて来る人を「打ち返す」レスキューチームの一員になった男の物語。奇想天外にして自由自在な文学空間。表題作は文學界新人賞受賞。
引用:Amazon

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感想

一年で一度、空から人が落ちてくる町。
その導入だけで最後まで引っ張ってもらえた。
不条理な設定は不条理なまま進んで行くが、なぜ空から人が落ちてくるのか?なぜバットなのか?なぜユニフォームなのか?と、疑問点が最後まで気になるまま

とは言え、そんなに複雑な話でもないのかもしれない。と思ったのも確か。
書かれていることがなんのメタファーでも無く、そのままの世界観なだけなのかもしれない。
本当にあったことだから、人が空から落ちてくる理由はわからないままだし、バットやユニフォームにもなんの意味も無いのかもしれない。
簡単なことをただただ回りくどく語っているだけなのかもしれない。
本書にもこんなことが書かれている。

比喩であるならば構わない。口に出される様々な事柄が、いずれもある程度比喩であるように、この町で続いている落下現象もまた何かの比喩であるかはわからない。しかし比喩にも程度と言うものがあるはずで、実際に人が落ちてくるとなると、これは何の比喩だのかんだと考えるのは馬鹿馬鹿しい。

これが、本書の一番言いたいことなのかもしれない。

だとしたら、面白い小説ってわけじゃないんだけどな。

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