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クレア・ノース「ハリー・オーガスト、15回目の人生」

ループもののSFで傑作と名高い本書。
だそうなので、読んだ。
SF得意じゃないのに読んだ。
確かに面白い!後半の面白さすごい!

中盤までは正直辛かった。
目滑りしちゃって内容がなかなか理解できず、なんども戻ったり本を閉じてスマホの世界に逃げ込んだり。
途中で、「もうわからなくてもいいからとにかく読み進めよう。どうしても理解したかったら15回読もう」と決めてから心が軽くなった。
そしてそのタイミングでちょうど話が面白くなってきて、そこからは割と一気に最後まで。
良き良き。

これ、挫折した人とかいるみたいだけど、頑張って読み進めて欲しい。
300ページくらいまでは斜め読みでいいから。

ハリーとヴィンセントが出会ってから一気に面白くなる。

あらすじ

1919年に生まれたハリー・オーガストは、死んでも誕生時と同じ状況で、記憶を残したまま生まれ変わる体質を持っていた。彼は3回目の人生でその体質を受け入れ、11回目の人生で自分が世界の終わりをとめなければいけないことを知る。終焉の原因は、同じ体質を持つ科学者ヴィンセント・ランキス。彼はある野望を持って、記憶の蓄積を利用し、科学技術の進化を加速させていた。激動の20世紀、時を超えた対決の行方は?
引用:Amazon

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ネタバレありの感想

ハリーとヴィンセントが出会ってから一気に面白くなる。
いや、正確にいうと、ハリーとヴィンセントが手を組んでから一気に面白くなる。

300ページくらいまでは正直蛇足。
蛇足というと言葉は悪すぎるけど、ここはもっともっと凝縮できたはず。
「世界の終わり」なんていうとてもでかいことをテーマにしているせいで、それまでの話もスケールでかくしようとして、登場人物を出しすぎていたり、世界観の説明に使いすぎていたり。
その上「ループもの」の宿命で、ループした人生に対する対応なんかにもやけにページ数を使っているし、全く不要なエピソードなんかも描いているせいで、そのあたりが退屈。
そして、書かれている人生の順番がランダム。そのせいで、なかなか物語にも入り込めていかない。
ループものならではの苦悩なんかが主軸の作品では無いです。

中盤をすぎたあたりで、ハリーとヴィンセントの関係性が構築されてからがもう、最高に面白い。
同じく、ループしてしまう体質の2人が神とも呼べるような科学技術を発展させていきながらも、そのせいで「世界の終わり」が早まってしまうことに苦悩するハリー。
この2人の友達同士であり、敵同士にもなる関係性での対決(心理戦)が手に汗握るし、切なくてウルっとくる。

ループものは世の中にたくさんあるけど、本書のようにループしている人間が複数出てくる物語っていうのは意外と少ないのでは?
他に無い感じのループものではあるので、そこが読みづらい要因の一つではあるけど、そこが面白さの大きな要因でもある。

とても良き。

2018年 年間ベスト

  1. 詠坂雄二「電氣人間の虞」
  2. 西加奈子「ふる」
  3. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  4. 西加奈子「漁港の肉子ちゃん」
  5. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  6. 筒井康隆「朝のガスパール」
  7. 北山猛邦「私たちが星座を盗んだ理由」
  8. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  9. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  10. 井上真偽「探偵が早すぎる」
  11. 江國香織「流しのしたの骨」
  12. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  13. 竹本健治「涙香迷宮」
  14. 下村敦史「闇に香る嘘」
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  16. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  17. 本谷有希子「グ、ア、ム」
  18. 野村美月「文学少女と繋がれた愚者」
  19. 豊島ミホ「初恋素描帖」
  20. 野村美月「文学少女と慟哭の巡礼者」
  21. 深水黎一郎「ミステリー・アリーナ」
  22. 野村美月「文学少女と月花を孕く水妖」
  23. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  24. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  25. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  26. 辻村深月「盲目的な恋と友情」
  27. 法月綸太郎「ノックス・マシン」
  28. 辻村深月「鍵のない夢を見る」
  29. 野村美月「文学少女と死にたがりの道化」
  30. クレア・ノース「ハリー・オーガスト、15回目の人生」
  31. 野村美月「文学少女と穢名の天使」
  32. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  33. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  34. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  35. 有栖川有栖「46番目の密室」
  36. 青崎有吾「体育館の殺人」
  37. 下村敦史「生還者」
  38. 野村美月「文学少女と飢え渇く幽霊」
  39. 早見和馬「イノセント・デイズ」
  40. 東野圭吾「鳥人計画」
  41. 木内一裕「デッドボール」
  42. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  43. 山口雅也「PLAY プレイ」
  44. 森絵都「カラフル」
  45. 井上荒野「あなたの獣」
  46. 東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」
  47. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  48. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  49. 櫛木理宇「死刑にいたる病」
  50. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  51. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  52. 竹宮ゆゆこ「あしたはひとりにしてくれ」
  53. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  54. 筒井康隆「虚人たち」
  55. 西澤保彦「殺す」
  56. 東野圭吾「放課後」
  57. 長江俊和「出版禁止」
  58. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  59. 倉知淳「星降り山荘の殺人」
  60. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  61. 西村京太郎「殺しの双曲線」
  62. 秋吉理香子「暗黒女子」
  63. ネレ・ノイハウス「深い疵」
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  67. 山本甲士「ひなた弁当」
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  69. 瀬尾まいこ「温室デイズ」
  70. 瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待ってる」
  71. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  72. 相沢沙呼「午前零時のサンドリヨン」
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Book | 2018年9月11日