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瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待ってる」

タイトルからご飯ものかと思っていた。
もちろん、ご飯が重要なアイテムとして描かれていたりもするけど、もっとだ。もっと欲しかった。
メインで絡んで来たのがポカリで、次がだいぶ落ちてケンタッキーだった。それは残念。
瀬尾まいこさんの中でも随分と今時で、映画向きだな、と思ったら映画化されてた。
恥ずかしい。

あらすじ

兄の死以来、人が死ぬ小説ばかりを読んで過ごす亮太。けれど高校最後の体育祭をきっかけに付き合い始めた天真爛漫な小春と過ごすうち、亮太の時間が動きはじめる。やがて家族となった二人。毎日一緒に美味しいごはんを食べ、幸せな未来を思い描いた矢先、小春の身に異変が。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」亮太は小春を励ますが…。泣いて笑って温かい、優しい恋の物語。
引用:Amazon

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ネタバレありの感想

思った以上に恋愛小説だった。
というか、ゴリゴリの恋愛小説だった。そういうのが読みたい訳ではなかったけど、さすがの瀬尾まいこさん、読みやすい。
嫌な感じがないんだよな。
割と臭いキャラクターが臭い設定で臭い恋愛をしているんだけど、ところどころに毒が効いていて、甘ったるいだけじゃないのが良き。

葉山くんと上村さんの、付き合うまでが最高潮で、ポカリというアイテムもとても自然で、とても象徴的に扱えている。
付き合って、一気に普通の男になった葉山くん。ここら辺から甘味強すぎるなぁ、と思っていたけど、上村さんが葉山くんを振った理由がとても良き。
上村さんにとってのそれまでの家族(おじいちゃん、おばあちゃん)が、とても大事な存在なのに、打ち解け切れていない関係性が現れていてとても胸苦しく、これまでの上村さんのキャラクターなどにも深みが出て、不幸なのは自分だけだなんて思っていた葉山くんのかっこ悪さとの対比がまた良き。

思ったことを全部言えない家族だった上村さんが、葉山くんと結婚し、自分の家族に執着する様子は鬼気迫るものがありつつ応援したくなる切なさ。
特に、葉山くんと2人だけでは、家族ではなく、夫婦だ。という意見が辛く物悲しい。
子宮を摘出してしまうことで、家族を作ることを諦めざるを得なかっただけなのかもしれないが、それでも、ちゃんと葉山くんと2人で過ごしていくことを決意したのは、さすがと言わざるを得ない強さだ。
そして、それはきっと、おじいちゃん、おばあちゃんへの距離も少し縮まったんだろう。

上村さんが入院中の病室で同室だった山崎さん。
とても素敵なキャラで、それこそイエスさまのようだ。

2018年 年間ベスト

  1. 詠坂雄二「電氣人間の虞」
  2. 西加奈子「ふる」
  3. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  4. 西加奈子「漁港の肉子ちゃん」
  5. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  6. 筒井康隆「朝のガスパール」
  7. 北山猛邦「私たちが星座を盗んだ理由」
  8. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  9. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  10. 井上真偽「探偵が早すぎる」
  11. 江國香織「流しのしたの骨」
  12. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  13. 竹本健治「涙香迷宮」
  14. 下村敦史「闇に香る嘘」
  15. 中村文則「何もかも憂鬱な夜に」
  16. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  17. 本谷有希子「グ、ア、ム」
  18. 野村美月「文学少女と繋がれた愚者」
  19. 豊島ミホ「初恋素描帖」
  20. 野村美月「文学少女と慟哭の巡礼者」
  21. 深水黎一郎「ミステリー・アリーナ」
  22. 野村美月「文学少女と月花を孕く水妖」
  23. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  24. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  25. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  26. 辻村深月「盲目的な恋と友情」
  27. 法月綸太郎「ノックス・マシン」
  28. 辻村深月「鍵のない夢を見る」
  29. 野村美月「文学少女と死にたがりの道化」
  30. クレア・ノース「ハリー・オーガスト、15回目の人生」
  31. 野村美月「文学少女と穢名の天使」
  32. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  33. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  34. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  35. 有栖川有栖「46番目の密室」
  36. 青崎有吾「体育館の殺人」
  37. 下村敦史「生還者」
  38. 野村美月「文学少女と飢え渇く幽霊」
  39. 早見和馬「イノセント・デイズ」
  40. 東野圭吾「鳥人計画」
  41. 木内一裕「デッドボール」
  42. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  43. 山口雅也「PLAY プレイ」
  44. 森絵都「カラフル」
  45. 井上荒野「あなたの獣」
  46. 東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」
  47. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  48. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  49. 櫛木理宇「死刑にいたる病」
  50. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  51. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  52. 竹宮ゆゆこ「あしたはひとりにしてくれ」
  53. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  54. 筒井康隆「虚人たち」
  55. 西澤保彦「殺す」
  56. 東野圭吾「放課後」
  57. 長江俊和「出版禁止」
  58. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  59. 倉知淳「星降り山荘の殺人」
  60. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  61. 西村京太郎「殺しの双曲線」
  62. 秋吉理香子「暗黒女子」
  63. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  64. 折原一「覆面作家」
  65. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  66. 法月綸太郎「雪密室」
  67. 山本甲士「ひなた弁当」
  68. 大石圭「人を殺す、という仕事」
  69. 瀬尾まいこ「温室デイズ」
  70. 瀬尾まいこ「僕らのごはんは明日で待ってる」
  71. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  72. 相沢沙呼「午前零時のサンドリヨン」
  73. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  74. 綾辻行人「どんどん橋、落ちた」
  75. L・M・モンゴメリ「赤毛のアン」
  76. 首藤瓜於「脳男」
  77. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  78. 青柳碧人「西川麻子は地理が好き。」
  79. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  80. 湊かなえ「豆の上で眠る」
  81. 野中柊「小春日和」
  82. 新藤卓広「秘密結社にご注意を」
  83. 原宏一「床下仙人」
  84. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  85. 田中慎弥「田中慎弥の掌劇場」
  86. 折原一「耳すます部屋」
  87. 竹内雄紀「悠木まどかは神かもしれない」
  88. 七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
  89. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  90. 木下半太「鈴木ごっこ」
  91. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  92. 遠藤武文「トリック・シアター」
  93. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
  94. 村田治「名探偵は推理しない」
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Book | 2018年8月31日