やられた。
つまらなかった。
つまらない上に結末ぶん投げられた。
駄作。
他に読むべき本はいくらでもある。もう2度とこの作者の作品は読まないと思う。
なんならこんな本を読むくらいなら読書しないほうがマシだ。スマホいじってたほうがマシだ。
「名探偵は推理しない」というタイトルからもわかるようにアンチミステリとして存在しているんでしょうけど、それでもこの小説がひどいのは、ミステリを否定しているのではなく、ミステリから逃げているだけなんだよな。
ライトノベルに本格ミステリを期待しているわけじゃないけど、キャラクターも描けていない。
「興味があるのは殺人事件、凶悪犯罪、そして『完全な犯罪』だけよ」腰まで伸ばした長い銀髪と赤い瞳が特徴の女子高生、譲葉恋深。その恋深が部長を務める『犯罪研究部』略して『はんけん』に足繁く通う何事にも平凡で、すべて平均より三センチ上という程度の八ヶ岳理人。高校生の部活にそんな大事件が舞い込むわけもなく、『はんけん』には平和な空気が流れていた。しかし、ミステリー研究会から小説の後半部分を探して欲しいという簡単な依頼が、大きな事件へと発展していく…。対照的な凸凹コンビによるサスペンスストーリー登場。
引用:楽天ブックス
「探偵とは、最初から答えを知っていて、辻褄合わせをしているだけ」という超理論(それも使い古された超理論ではあるが)を展開するわけですけど、それなのに、事件のスケール、トリックのしょぼいことしょぼいこと。
探偵じゃない僕にも想像できるようなことをドヤ顔で推理されてもなぁ。
「誘拐した人をどうやって運んでいたのか解けなかったけど、そうか!車か!」ってバカか。
主人公のキャラクターもきつい。
人の苦しみが分からないからそれに悩んで演技しているんだってさ。
なんとも厨二。
その割には、恋深を助けたいって言ったり、感情的な行動が多かったり、多分涙もろくないだけ。
高校生男子だったら普通だよ!年とるにつれて涙脆くなるから大丈夫だよ!
無痛覚症ってキャラもなんなんだ。
終盤はとにかく早く読み終わることだけ考えていたので、自信ないけど、そもそもこの設定意味あった?
伏線とかもなかった気がするし。
偽善と善の件などしつこすぎる上、どこかでよく見る手垢のびっしりついた意見ばかり(それもひねくれただけの見方)で、本当にこれが作者の本心からの考えなのか疑問だ。
登場人物のキャラクター性に安易に欠けた部分を作ることと、一風変わったネーミングをすることと、無意味な好意とそれに困惑する主人公、というあまりにもイメージするラノベっぽさ満載の厨二的小説。
ラノベにも素晴らしい小説はたくさんあるし、一般小説にも純文学にもくだらないものはある。
それでも、これがラノベだ、となってしまうとやはりラノベの地位は下がっていってしまうのも仕方ないのかもしれない。
まぁ、こういのがメインターゲット層にはあってるのかもしれないけど。
でも、今の時代、ラノベっぽくて、読みやすい文体で現代が舞台の小説たくさんあるんだから、わざわざこれ読む必要は無し。
キャラクターがもっともっと特徴的でぶっ飛んでいれば読む価値は出てくるんだけどな。
抑えているわけでもないんだろうが、キャラクターが小さく退屈なイメージからも飛び出せていない。
やっぱり西尾維新は偉大だ。