Nobutake Dogen.com

野中柊「小春日和」

かわいい表紙でかわいい双子の物語。
それだけなんだよな。
大人から見た子供の物語。
いまいち。

あらすじ

小春と日和。三月生まれなのにそう名付けられたふたごの姉妹。映画好きの母の影響で始めたタップダンスに、幼いふたりは夢中になる。そんなある日、舞い込んできたケチャップのCMに出演したことで、彼女たちの周辺がざわめき始める―。海辺の町・逗子を舞台に、少女たちの成長を伸びやかに描くハーモニー豊かなノスタルジック・ストーリー。
引用:Amazon

スポンサーリンク

感想

物足りない。
「なんてことない」日常を描きたいのだとは思うが、それにしては芸能界デビューという、派手な出来事が物語の軸になっている。
こんな派手な出来事を軸に持ってくるのであれば、主人公や、周りの登場人物に成長、または退化が見えてこないと、
芸能界云々で一番ページを使っているが、作者が描きたかったのはそこなのか?
もっと、日常の一日一日を大事に描くべきでは?
特に小学生にとっての一日というのは、もっともっと重要なものであったはず。

あくまで大人が思う、子供ってこういうかわいいものなんだけど、意外と大人なんですよ。って思惑で描かれているキャラクターのように感じた。

何より重要なキャラクターである、吉田くんの出番が遅いことと重要なはずなのに出番が少ないことがもったいない。
こんな中途半端な登場をするのであれば、登場させない方がよかったと思う。
読んでいる途中、「残りページ少なくなってきたのにこんなに良さそうなキャラクターが今頃出てくるの?」と驚いた。
確かに、小春と日和の人生はこれからも続いていき、その後、吉田くんとの関わりがどんどん深くなっていくのかもしれないけど、小説というのはどこかで区切りをつけなければいけないものであるのだから、エピソード、キャラクターの取捨選択は慎重にしてほしい。
吉田くんとのやりとりや、吉田くんと長沼さんとの関わりなどをもっと深く突っ込んでいったら、全然違った印象になったと思う。

舞台である1975年ごろに、小学生だった人や大人だった人はまた違った印象を持つのかもしれないけど、自分にとっては退屈な小説だった。

ただ、お父さんとお母さんのデートの話と、双子と桜井先生のデートの話はよかった。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 筒井康隆「朝のガスパール」
  5. 北山猛邦「私たちが星座を盗んだ理由」
  6. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  7. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  8. 井上真偽「探偵が早すぎる」
  9. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  10. 竹本健治「涙香迷宮」
  11. 下村敦史「闇に香る嘘」
  12. 中村文則「何もかも憂鬱な夜に」
  13. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  14. 本谷有希子「グ、ア、ム」
  15. 野村美月「文学少女と繋がれた愚者」
  16. 野村美月「文学少女と慟哭の巡礼者」
  17. 深水黎一郎「ミステリー・アリーナ」
  18. 野村美月「文学少女と月花を孕く水妖」
  19. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  20. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  21. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  22. 辻村深月「盲目的な恋と友情」
  23. 法月綸太郎「ノックス・マシン」
  24. 辻村深月「鍵のない夢を見る」
  25. 野村美月「文学少女と死にたがりの道化」
  26. 野村美月「文学少女と穢名の天使」
  27. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  28. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  29. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  30. 有栖川有栖「46番目の密室」
  31. 青崎有吾「体育館の殺人」
  32. 下村敦史「生還者」
  33. 野村美月「文学少女と飢え渇く幽霊」
  34. 東野圭吾「鳥人計画」
  35. 木内一裕「デッドボール」
  36. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  37. 森絵都「カラフル」
  38. 井上荒野「あなたの獣」
  39. 東野圭吾「どちらかが彼女を殺した」
  40. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  41. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  42. 櫛木理宇「死刑にいたる病」
  43. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  44. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  45. 竹宮ゆゆこ「あしたはひとりにしてくれ」
  46. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  47. 西澤保彦「殺す」
  48. 東野圭吾「放課後」
  49. 長江俊和「出版禁止」
  50. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  51. 倉知淳「星降り山荘の殺人」
  52. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  53. 西村京太郎「殺しの双曲線」
  54. 秋吉理香子「暗黒女子」
  55. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  56. 折原一「覆面作家」
  57. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  58. 法月綸太郎「雪密室」
  59. 大石圭「人を殺す、という仕事」
  60. 瀬尾まいこ「温室デイズ」
  61. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  62. 相沢沙呼「午前零時のサンドリヨン」
  63. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  64. 綾辻行人「どんどん橋、落ちた」
  65. L・M・モンゴメリ「赤毛のアン」
  66. 首藤瓜於「脳男」
  67. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  68. 青柳碧人「西川麻子は地理が好き。」
  69. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  70. 野中柊「小春日和」
  71. 原宏一「床下仙人」
  72. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  73. 折原一「耳すます部屋」
  74. 七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
  75. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  76. 木下半太「鈴木ごっこ」
  77. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  78. 遠藤武文「トリック・シアター」
  79. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
スポンサーリンク

Book | 2018年8月8日