長いこと積んでました。
映画化もされて、もうDVD化もされてるみたいですね。
そもそもなんで積んでいたかというと、もちろん積ん読がいっぱいあるから、というのが一番ですが、本当は面白くなさそうって思っていたから。
結構売れた本だった思うけど、やっぱり個人的には外れ。
京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。
高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。
気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて──。
「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」
奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。
彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。
引用:楽天ブックス
中盤あたり、またタイトルから「時系列がおかしい、少なくとも福寿さんは未来から来た」という所まではすぐにわかってしまう。
一応、そこまで単純ではなく、福寿さんの世界線では時間の進みが逆。とのことですが、そこが全く活かされてない。
別れが来ることで切なさを表現するなら5年に1度、40日間しかいられない、とかのルールだけを使えばよかった。
5年に1度じゃなくて、一生に1回だけにして、出会いのエピソードをもっとドラマチックにする、とかでよかっただろうし。
そもそも、そのルールなんなんだ?
とか、色々ケチをつけたくなるのは、とにかく小説としてキャラクターの行動のおかしさが気になったせいだ。
とにかく福寿さんが迂闊すぎる。
南山くんの書いた絵を見て、「廊下に貼られるやつ」とか言ってしまったり。
南山くんの小説をまだ読んで無い程で「読みたい」と言ったその何分後かに中身について言及してしまったり。
そういう台本が書かれた、ということなんだけど、そこは卵が先か鶏が先かの問題でもあるけど、あくまで福寿さんが迂闊すぎる印象になる。
電車のなかで一目惚れ、というベタすぎてなかなかやってる人が少なそうな始まりは(逆に)好印象。
そのあと、長いこと甘いイチャイチャを見せられるんだけど、そのあたりの文章が下手。
台詞ばかりで、行動と言えば手を繋いだり、肩に頭を乗せたり。
そういうやりとりの中で、南山くんの思うことと言えば、「福寿さんかわいいなぁ」ばかり。
最初に見た時(一目惚れした時)に「絶世の美女というわけじゃない」と言って置きながら周りの友人もこぞってかわいいかわいい言うのも不自然だし、不要なエピソード。
あと集中して読めていないせいもあるかもしれないんだけど、小説ないで書かれていいない、5月20日「西内くんのマンションで飲み会」で、福寿さんがこの時はまだ髪の毛切っていなかった問題はどうなってるの?
4月29日の時点で20センチほど伸びてるってことは、5月20日の頃でもかなりの長さ伸びてることになるけど、不自然に思わなかったの?
僕も涙脆いほうだけど、全く泣けなかったし、感動も驚きもなかった。
残念。
映画はもっと面白いのかな。まぁ見ないな。