最終巻に向けての特別編。
夏休みの話で時系列で言うと「文学少女と飢え乾く幽霊」の次。
それでも、このタイミングで刊行された意味よ。あぁ、愛しの遠子先輩よ。
琴吹さんも当然のようにかわいい。
でも、やっぱり遠子先輩なんですわ。遠子先輩が世界でいっっっちばんかわいい。
モチーフは泉鏡花の「夜叉ヶ池」
泉鏡花も読んでない。読まねばね。
『悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください』―そんな遠子からのSOSで、夏休みを姫倉の別荘で“おやつ”を書いて過ごす羽目になった心葉。だが、そんな彼らに、八十年前起こった惨劇の影が忍び寄る。“令嬢”“学生”そして“妖怪”。役者は揃い舞台は整い、すべては再び崩壊に向かう。事態を仕組んだ麻貴の望みとは?自らの“想像”に心を揺らす、“文学少女”の“秘密”とは―。夢のようなひと夏を描く、“文学少女”特別編。
引用:楽天ブックス
最近琴吹さんが目立ちすぎていたために、一旦休んでもらって遠子先輩大活躍。
最終巻に向けて読者の気持ちを遠子先輩に向けるのはとても大事なこと。
そして、やっぱり僕、遠子先輩が好きだ。
理想の女性像。
今巻の見所は兎にも角にもエピローグ。
本書ではエピローグではあるが、実質は最終巻に向けてのプロローグ。
前巻で心葉の物語に一区切りついたことで、本編の終わりに何を語るか、誰の物語になるか、というとそりゃもちろん天野遠子。
琴吹さんルートに入ったように見せてはいたが、これまでも、遠子先輩に罪悪感のようなものを感じたり、弟のような扱いにショックを受けていたりとしていたものの、心葉は自分の気持ちには気づいていない。
それは、美羽とのいざこざによる後遺症なんだろう。
さて、そうなると琴吹さんとはどんな決着をつけるのか、それともお得意の叙述トリック的なミスリードなのか。
とうとう、次の上下巻で本編は終わり。