なんとも物騒なタイトル。
「七回死んだ男」がそこまで評価できない僕ですが、西澤保彦好きかもしんない。
すっきりしない部分はあるが、好きな1冊。
「もしかしたら幸せなのかな、このほうが」殺害された女子高校生の遺体発見現場で刑事が洩らすひと言。性的暴行の痕跡はない。怨恨の線で捜査は開始されたが翌日、またもや同じクラスの女子が全裸で殺害された。そして、すぐさま第三の殺人。残酷な女子高生心理と、容赦なき刑事の異常な行動が交錯する大胆不敵な警察小説。『猟死の果て』改題。
引用:楽天ブックス
光門というサイコな自己中野郎を出しておいて、ここまで本筋に絡んでこないとは!
さすがにこの部分に関してはすっきりしないものの、読んでる間はすごく強い引きになっており、小説としてとても力強いものになっている。
性的暴行がなかった点などである程度犯人の目星がつくようにはなっているものの、さすがに予想出来ない真犯人。
お父さんももうちょっとしっかりしてよ!と思わされ、かなりのイヤミス。
とにかく未成年者の屍姦の件がきつかった。
確かにあの年代だと前後不覚になるほどの性欲というものはあるが、言うまでもなく屍姦は人として間違い。
それをなんとか正当化させようと、自らおかしくなってしまっているかのような言動。
恐ろしいし、犯罪者の心理にはこういう面もあるんじゃなかろうか、と思わされ非常に恐ろしい場面だった。
ミステリー的に結末がどうあれ、フーダニット的であり、サイコな警察官の出てくるサスペンスでもありとても贅沢な読書ではある。
“意外な真犯人”にこだわらなくてもいいと思うんだけどな。