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木内一裕「デッドボール」

「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の原作者、木内一裕の5冊目の小説。
ヤンキー漫画がそんなに好きじゃ無いのもあって「BE-BOP-HIGHSCHOOL」は未読なんだけど、近いうちに読みたくなった。
「デッドボール」面白い。「藁の盾」も面白かったけど、明らかに筆力があがっている。

とにかく主人公のキャラクターがいい。
優柔不断な部分がありつつも、信念とも呼べるよな部分を持ちつつ、すごく人間的なキャラクターが現実に地続きでありそうな事件に巻き込まれ、活躍する様はやはり痛快で爽快だ。

視点がコロコロと変わるものの、それぞれのキャラクターがとても個性的で読みづらさは全くない。
サクサク読めるが軽すぎる印象は無し。

あらすじ

仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。
引用:Amazon

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ネタバレありの感想

「完全誘拐計画」の文字に惹かれて購入したものの、誘拐自体は序盤で終わり。
そこは多少残念だったものの、そこから読者を引き込む力がすごかった。
それこそ漫画の連載のように、章ごとに次へのフックがあり、とにかく続きが気になる。
セリフ回しもこういうテンション高めなクライム小説にぴったりな感じの少しキザでカッコつけた言い回しがそれぞれのキャラクターにもぴったり。

それぞれのキャラクターがしっかりと作り込まれているんだけど、中でもいいキャラクターをしているのが悪徳弁護士である成宮。
成宮の小物な悪役感、最&高。
息を吐くように嘘をつき、なおかつそこに楽しみを見出している、という根っからの嘘つきっぷり。
そんなキャラクターにも視点をもたせたことで成宮の小物っぷりや、悪役っぷりが強調されて「どうか痛い目にあってくれ」と思わずにはいられない。

エピローグは多少無理やり詰め込まれた感はあるものの、あってよかったと純粋に思える爽快さがある。
いろいろな人にオススメできるエンタメ小説。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 筒井康隆「朝のガスパール」
  5. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  6. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  7. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  8. 竹本健治「涙香迷宮」
  9. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  10. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  11. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  12. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  13. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  14. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  15. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  16. 有栖川有栖「46番目の密室」
  17. 青崎有吾「体育館の殺人」
  18. 下村敦史「生還者」
  19. 木内一裕「デッドボール」
  20. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  21. 森絵都「カラフル」
  22. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  23. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  24. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  25. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  26. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  27. 東野圭吾「放課後」
  28. 長江俊和「出版禁止」
  29. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  30. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  31. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  32. 折原一「覆面作家」
  33. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  34. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  35. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  36. 首藤瓜於「脳男」
  37. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  38. 青柳碧人「西川麻子は地理が好き。」
  39. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  40. 原宏一「床下仙人」
  41. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  42. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  43. 木下半太「鈴木ごっこ」
  44. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  45. 遠藤武文「トリック・シアター」
  46. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年6月9日