多重解決ものが読みたいな、と思ってこれを。
多重解決というよりは水平思考のような思考実験のような。
そんな印象。
この話が短編にまとまっていたら満足度高かった気がするんだけど、いかんせん長かった。
長いこと読んで(と言っても1日あれば読了できるくらい読みやすいが)あの結末だとなんともすっきりしないな。
タック&タカチシリーズの時系列で言うと2作目になるようです。
ドライブの途中、四人が迷い込んだ山荘には、一台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベットと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが…。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。
引用:楽天ブックス
一番残念なのが、謎の真相が推理通りすぎるところ。
安楽椅子探偵、しかも謎が不思議な館の理由で、事件が起きているかどうかすらわかっていない状態での推理、しかも結構突拍子もない推理だったのに細かいところまで当たりすぎ。
そのせいで、論理的な推理によって真相を突き止めた、というよりは数ある妄想のうち一つが当たった。という印象になってしまった。
答え合わせはもっと骨組みだけで十分だったのでは?
長編だったことで満足度が下がってはいますが、安楽椅子探偵ものの長編としては、すごく読みやすく飽きにくいものではあると思います。
個人的にタカチのキャラは全然好きになれないどころか嫌いなタイプではありますが、キャラものとして”いかにも”なキャラばかりで、”日常の謎”系に慣れてる人なんかはよりすんなりを受け入れられるんじゃないかな、と。
「つまらなくはないけど・・・」
という感じでおすすめなんかはできない感じだ。