作家アリスシリーズの1作目。
本格ミステリの王道中の王道って感じで控えめに言って最高だ。
日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家、真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか――。有栖川作品の中核を成す傑作「火村シリーズ」第1作。
引用:楽天ブックス
密室を期待して読むけど、密室トリックとしてはそこまで目新しいものではなく、そこは残念。
ただ、それ以外の部分、というか小説としてとても素晴らしい。とにかく楽しい。
ワトソン役として理想的な「アリス」と、ホームズ役として理想的な「火村」。
特に、アリスが自分の推理、推理小説家としての性と言えるより悲劇的な真相となる推理を火村に一蹴される場面は爽快。
火村の推理はロジカルでありつつ、動機の部分に関しては人間としての優しさもあってとても魅力的な探偵だ。このような、本格っぽいものだと時々動機が軽すぎたり、理解不可能すぎたり、そもそも探偵役が動機に興味があるように見えなかったりすることもあるけど、それもきちんと理解できるレベルで良い。良い。
シリーズの1作目ということで、キャラクターの説明的な部分があったり、過去を匂わせる記述があったりでこれからも楽しみ。
次も読もう。積ん読消費していこう。
きつい。