タイトルと表紙すごくいいですよね。
「放送禁止」というTVシリーズのディレクターの書いた小説。
「放送禁止」は名前だけ知っている程度だったんですけど、興味持ちました。見てみたい。
社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印された―。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。
引用:楽天ブックス
小説としては結局人間が一番怖くね?系のホラー。
それをフェイクドキュメンタリーという体裁をとりつつの謎解きブック。
解決編である「出版にあたって」である程度の解決を見せてくれるんだけど、それがあくまで触りくらい。
本文中で触れられている誤字(恐らく「視覚の死角」の事)について「出版にあたって」で触れられていないことや、最後ペンネームをひらがなで「わかはしくれなり」と書いてくれたりなど割と親切にそのことを示してくれてるの好印象。
小説として楽しむのではなく、どれだけの謎や言葉遊び、伏線が隠されているのか考察していくのを楽しむ本なんだと思う。
今はネットやSNSですぐに色々な人の考察を見ることができるのがいいことなのか、楽しみを奪われているのか、って問題は悩ましい。
僕は「視覚の死角」は「刺客の資格」だと思ってたんですけど、「刺客の刺客」という意見もあってなるほど。
ミステリーというよりはゲームブック的感覚で楽しめる。
脱出ゲーム好きとしてはそりゃ楽しいよ、って感じだ。
「放送禁止」も見よう。見てみよう。