初読みの作家さん。
何冊か購入して、一番上に積んであったこれから。
やったぜ。面白い!
伝説の怪盗に、盗めぬものはなし!「誰が(Who?)」「なぜ(Why?)」「どうやって(How?)」を超えた、ミステリ史上初の命題!
愛や勇気など、形のないものまで盗む伝説の怪盗・フェレス。その怪盗が、凪島のアートギャラリーに犯行後カードを残した!
灯台守高校に入学した雪子は、探偵高校と怪盗高校の幼馴染みとともに捜査に乗り出す。だが盗まれたものは見つからず、事件の背後に暗躍する教師の影が。
「誰が?」ではなく「どうやって?」でもなく「何が(What?)盗まれたか?」を描く、傑作本格ミステリ誕生!
引用:楽天ブックス
・先生、記念に一枚いいですか
・先生、待ち合わせはこちらです
・先生、なくしたものはなんですか
の3編からなる連作短編集です。
割と特殊な舞台設定。
僕がこういうのが好物ってこともありますが、せっかくライトな雰囲気なので、これくらい非現実的な舞台を設定しちゃっても楽しめるし、何より、「何でも盗むことができる」っていうこれまた非現実的なキャラクターも受け入れられる。
フーダニット(犯人当て)でもなく、ハウダニット(トリック当て)でもなく、ホワイダニット(動機当て)でもなく、ホワットダニット?と呼べばいいのかな。「何が盗まれたか?」という挑戦的なミステリー。
表紙を見てわかる通り、キャラクターや設定はとてもライトではちゃめちゃ。
でも、本筋はすごく本格ミステリしていてチャラいのに骨太。って感じだ。
特殊な舞台設定をちゃんとうまく使っている、というかこの物語をすんなり受け入れてもらうためにこの舞台が必要だったんじゃなかろうか。
ライトなミステリでよくあるそこらの日常系ミステリとは段違いの楽しさと、うまさ。
表紙やタイトルで敬遠しちゃう人もいそうでもったいない。
メフィスト賞あたり好きな人とかにおすすめ。
「何が盗まれたか?」が謎の中心ではあるんですけどそれぞれもちろん、「何で盗んだか?」も描かれていて、しかもそのどれもがなんかいい。
特に、「先生、記念に一枚いいですか」のコノミちゃん。最高にかわいくない?
彼女の真相とかとても素敵だし、抱え込んだものも大きそう。でも、とてもまっすぐ前を向いて生きている感じとか泣けてくる。
あと、最高にかわいい。
今作はシリーズ1作目ということで、キャラ・世界観の紹介、前振りが主な感じでしたが、それでも十分に読み応えはありこれからも楽しみだ。