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折原一「覆面作家」

どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが空想なのか。
ミステリーというよりはホラー。
もちろん、折原一のことなので、単純なホラーでも単純なミステリーでもないんですけど。

複雑にこんがらがった小説で、その複雑さが謎を読んでいるし、この小説の見どころ。
さすが折原一だな、と思わされる。

あらすじ

東京郊外の山間にある別荘に、行方不明だった推理作家・西田操が帰ってきた。西田は初めての小説『完全犯罪』で新人賞を獲得、謎めいた経歴ゆえ「覆面作家」と呼ばれていた。帰還早々、長編小説の執筆に没頭する西田だったが、周囲では怪現象が続発する。その先に待っていたものは―。
引用:「BOOK」データベース

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感想(ネタバレあり)

「覆面作家」というのが、まさか物理的に覆面をかぶっている作家のことだとは・・・・・・
というのが序盤の衝撃。
「そうじゃなくてさ!」って思いながら読み進めると、だんだんと幻想的な雰囲気になってきて、どんどん小説の世界に、小説内の小説の世界にのめり込んで行くことになります。

あまりに不可思議な世界で「これ大丈夫か?結論出せるのか?」って不安になって文庫本裏のあらすじ読むと、「ホラー」の文字が。
あぁ、そうなのね。ミステリーじゃないのか。ホラーなのか。
じゃ、この不思議な世界も幽霊的なアレってことになるのね。
と、その時の僕は「ミステリーが読みたかったのにな」なんて思いつつも、それでも充分面白く読み進めると、やっぱりミステリーじゃん。

終盤はドンデン返しの連続。
いや、ドンデン返しと言うよりは、入れ子構造というか、叙述トリックのマトリョーシカのよう。

西田操が都合よく動きすぎなところもありますが、違和感だらけの雰囲気のおかげで許せる範囲。

やっぱり安定の折原一。

2018年 年間ベスト

  1. 西加奈子「ふる」
  2. 鳥飼否宇「死と砂時計」
  3. 宮下奈都「羊と鋼の森」
  4. 筒井康隆「朝のガスパール」
  5. 天祢涼「キョウカンカク 美しき夜に」
  6. 井上真偽「その可能性はすでに考えた」
  7. 瀬川コウ「謎好き乙女と奪われた青春」
  8. 竹本健治「涙香迷宮」
  9. 筒井康隆「ロートレック荘事件」
  10. 深水黎一郎「テンペスタ 最後の七日間」
  11. 北山猛邦「先生、大事なものが盗まれました」
  12. 伊坂幸太郎「仙台ぐらし」
  13. 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
  14. 辻村深月「ハケンアニメ!」
  15. 東野圭吾「仮面山荘殺人事件」
  16. 有栖川有栖「46番目の密室」
  17. 青崎有吾「体育館の殺人」
  18. 下村敦史「生還者」
  19. 木内一裕「デッドボール」
  20. 佐藤友哉「子供たち怒る怒る怒る」
  21. 森絵都「カラフル」
  22. 岡嶋二人「そして扉が閉ざされた」
  23. 東野圭吾「ある閉ざされた雪の山荘で」
  24. メグ・ガーディナー「心理検死官ジョー・ベケット」
  25. 瀬尾まいこ「おしまいのデート」
  26. 伊坂幸太郎「火星に住むつもりかい?」
  27. 東野圭吾「放課後」
  28. 長江俊和「出版禁止」
  29. 東川篤哉「密室の鍵貸します」
  30. 東野圭吾「十字屋敷のピエロ」
  31. ネレ・ノイハウス「深い疵」
  32. 折原一「覆面作家」
  33. 恩田陸「木漏れ日に泳ぐ魚」
  34. 浜口倫太郎「22年目の告白-私が殺人犯です-」
  35. ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」
  36. 首藤瓜於「脳男」
  37. 西澤保彦「麦酒の家の冒険」
  38. カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ「犯罪は老人のたしなみ」
  39. 原宏一「床下仙人」
  40. 島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
  41. 鯨統一郎「邪馬台国はどこですか?」
  42. 木下半太「鈴木ごっこ」
  43. 高木敦史「演奏しない軽音部と4枚のCD」
  44. 遠藤武文「トリック・シアター」
  45. 伊原柊人「隣人の死体は、何曜日に捨てればいいですか?」
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Book | 2018年1月10日